海外テニス

「ずっとアイドルだった」フェデラーが使った“最後のラケット”を手にしたのはチチパス! 「時々一緒に寝ている」と大感激<SMASH>

中村光佑

2022.10.07

自身のアイドルだったフェデラー(右)が現役最後に使用したラケットを手に入れたチチパス(左)。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「アスタナ・オープン」(10月3日~9日/カザフスタン・ヌルスルタン/ハードコート/ATP500)でベスト8に進出した世界ランク6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)が2回戦終了後の記者会見に応じ、今年9月下旬開催の「レーバー・カップ」で現役を引退した元世界王者のロジャー・フェデラー(スイス)からある贈り物を受け取ったと明かした。

 フェデラーとともに欧州選抜のメンバーとして今年のレーバー・カップに出場したチチパスは、盟友のラファエル・ナダル(スペイン)とペアを組んだダブルスでキャリア最後の試合を終えた41歳のレジェンドに「あるお願いをした」そうだ。その内容についてチチパスはこう説明した。

「ロジャー、あなたのラケットを手に入れることができたら、僕にとって大きな意味がある。僕は3歳の頃からずっとツアーで戦うあなたを追いかけてきた。あなたが最後に使ったラケットを額縁に入れて家に飾ることができたら、それほどうれしいことはない。その瞬間をあなたと共有できるのは、僕にとって特別なことだ。あなたのアイデンティティの一部を共有したいと思っている。そう彼に伝えたんだ」


 これに対して「幸いなことに快く受け入れてくれた」フェデラーからラケットを贈られたチチパスは「彼は僕が幼かった頃からずっと自分のアイドルだった。彼はいつも僕に良くしてくれるから、時々そのラケットと一緒に寝ているんだ」と告白。実際にチチパスは9月28日に更新した自身の公式ツイッターでフェデラーから受け取ったラケットの隣で眠る姿を撮影した写真を投稿し、多くのファンから反響を呼んでいた。
 
 いまだ世界中のファンや現役選手からフェデラーの引退を惜しむ声が絶えない中、チチパスもずっと憧れの存在だった"テニス界の英雄"が栄光の歴史に幕を下ろした現実を受け入れられず、「(引退セレモニーが終わった)その日の晩はずっと泣いていた」と言う。

 そして最後にチチパスは「最も驚いたのは、翌朝に抱いた感動だった。その朝、朝食をとりながら泣いている自分を見たのは信じられなかった。それは、彼の引退という特別な瞬間を共に過ごした僕にとって、最も美しい瞬間だった。いつかそんなキャリアの終焉を迎えたい」とコメント。フェデラーのようにファンの記憶に残る選手になると断言した。

 なお、アスタナ・オープンに第3シードで出場中のチチパスは、現地10月5日に行なわれた2回戦で予選勝者のルカ・ナルディ(イタリア/152位)にストレートで勝利。準々決勝では第7シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/10位)と対戦する。

文●中村光佑

【連続写真】次代の王者候補チチパスが放つ世界最強レベルの片手バックハンド
NEXT
PAGE
【画像】フェデラーから贈られたラケットと添い寝する、幸せそうなチチパス