現在開催中の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(11月13日~20日/イタリア・トリノ/ハードコート)に出場した第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/世界ランク3位)は、現地時間18日に行なわれたラウンドロビン3戦目、アンドレイ・ルブレフ(ロシア/同7位)との試合に敗れ、1勝2敗で惜しくも決勝トーナメント進出を逃した。
3-6、6-3、6-2とフルセットの熱戦となったこの試合だが、内容以上に話題を呼んだのはチチパスの両親だ。陣営席には父親でコーチのアポストロス・チチパス氏の他に元プロテニス選手であるユリア・アポストリさんも駆けつけていたが、試合中の彼らの様子に多くの批判が寄せられているのだ。
海外メディア『Sportskeeda』によると、劣勢に立たされる息子のプレーに満足できない様子のユリアさんが、ポイント間で不満を爆発させると、アポストロス氏と口論になったという。また、それを見かねたチチパスが、陣営に向かってボールを打ち付けるようなシーンもあった。
この一連の出来事に、元男子テニス世界1位で現在はキャスターとして活躍するジム・クーリエ氏は、テレビ番組で「チチパスの行動には少し共感を覚える」とコメントし、両親の行動に懸念を示している。
「彼(チチパス)がコントロールできないことが、彼に影響を及ぼしてしまっている。彼の家族は、彼の成功のために多くを捧げているのだろうが、これではただ彼を傷つけ、素晴らしいテニスをするチャンスを奪っている」
また「どんな親も同じように、子どもがうまくいくことを望んでいる」と一部理解を示しつつも、「うまくいくために、両親がセラピーを受けるといいかもしれないね」として、外部からのメンタルサポートを勧めた。
このクーリエ氏の助言と近しい意見を述べたのは、イガ・シフィオンテク(ポーランド/世界1位)のチームの一員であるスポーツ心理学者のダリア・アブラモビッチ氏だ。
彼女は自身のツイッターで「良いスポーツ選手の親であるための第一の条件は、自分自身の感情やストレスをコントロールできること。それはたとえトップレベルであっても同じです」と投稿。このツイートにはハッシュタグでチチパスの名が記されていた。
コーチである父親のサポートはもちろん、家族の献身の下でチチパスが成長してきたことは間違いないだろう。ただこの試合で、両親の存在がチチパスに良い影響を及ぼしたとは思えない。彼にもついに親離れが必要な時が近づいているのかもしれない。
構成●スマッシュ編集部
3-6、6-3、6-2とフルセットの熱戦となったこの試合だが、内容以上に話題を呼んだのはチチパスの両親だ。陣営席には父親でコーチのアポストロス・チチパス氏の他に元プロテニス選手であるユリア・アポストリさんも駆けつけていたが、試合中の彼らの様子に多くの批判が寄せられているのだ。
海外メディア『Sportskeeda』によると、劣勢に立たされる息子のプレーに満足できない様子のユリアさんが、ポイント間で不満を爆発させると、アポストロス氏と口論になったという。また、それを見かねたチチパスが、陣営に向かってボールを打ち付けるようなシーンもあった。
この一連の出来事に、元男子テニス世界1位で現在はキャスターとして活躍するジム・クーリエ氏は、テレビ番組で「チチパスの行動には少し共感を覚える」とコメントし、両親の行動に懸念を示している。
「彼(チチパス)がコントロールできないことが、彼に影響を及ぼしてしまっている。彼の家族は、彼の成功のために多くを捧げているのだろうが、これではただ彼を傷つけ、素晴らしいテニスをするチャンスを奪っている」
また「どんな親も同じように、子どもがうまくいくことを望んでいる」と一部理解を示しつつも、「うまくいくために、両親がセラピーを受けるといいかもしれないね」として、外部からのメンタルサポートを勧めた。
このクーリエ氏の助言と近しい意見を述べたのは、イガ・シフィオンテク(ポーランド/世界1位)のチームの一員であるスポーツ心理学者のダリア・アブラモビッチ氏だ。
彼女は自身のツイッターで「良いスポーツ選手の親であるための第一の条件は、自分自身の感情やストレスをコントロールできること。それはたとえトップレベルであっても同じです」と投稿。このツイートにはハッシュタグでチチパスの名が記されていた。
コーチである父親のサポートはもちろん、家族の献身の下でチチパスが成長してきたことは間違いないだろう。ただこの試合で、両親の存在がチチパスに良い影響を及ぼしたとは思えない。彼にもついに親離れが必要な時が近づいているのかもしれない。
構成●スマッシュ編集部