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海外テニス

フェデラーの元コーチ、リュビチッチがフランス連盟の育成スタッフに。「自分の経験を新しい挑戦に生かしたい」<SMASH>

中村光佑

2022.12.22

キャリア終盤のフェデラー(左)に3つのグランドスラムタイトルをもたらした名将リュビチッチ氏(右)。去就が未定だったが、フランステニス連盟をサポートすることになった。(C)Getty Images

キャリア終盤のフェデラー(左)に3つのグランドスラムタイトルをもたらした名将リュビチッチ氏(右)。去就が未定だったが、フランステニス連盟をサポートすることになった。(C)Getty Images

 今年9月に現役を退いた男子テニス元世界王者ロジャー・フェデラー(スイス/41歳)の元コーチであるイワン・リュビチッチ氏(クロアチア/43歳)が、フランステニス連盟(FFT)が主導する選手育成プログラムのディレクターに就任したことが明らかになった。スペインのテニス専門メディア『Punto de Break』が報じている。

 現役時代に10個のATPツアータイトルを獲得した元世界3位のリュビチッチ氏は、2016年にフェデラーのコーチに就任。17年の全豪オープンとウインブルドン、翌18年の全豪の3度にわたってフェデラーを優勝に導いた名将の1人である。

 そのフェデラーが栄光のキャリアに終止符を打ったことでリュビチッチ氏の動向にも注目が集まっていたが、このほど同氏は2023年1月15日付で、24年に開催されるパリ五輪を視野に入れたFFTの若手選手育成プログラム“Ambition 2024”のディレクターに任命された。これについてリュビチッチ氏は次のように喜びを語っている。

「世界で最も若手の可能性を伸ばすことに力を注いでいる連盟の一つである、フランステニス連盟に参加できることを大変うれしく思います。フランスは非常に豊かで有望な人材の宝庫です。私は、自分の経験をこの新しい挑戦に生かし、全面的にコミットし、チャンピオンを生み出す価値を共有したいと強く思っています」
 
 またリュビチッチ氏のディレクター就任を受け、FFTの会長を務めるジル・モレトン氏は以下のようなコメントを発表した。

「彼(リュビチッチ氏)のテニスに対する姿勢は、あらゆる瞬間、細部に至るまでパフォーマンスを重視し、我々がフランス期待の選手たちに植え付けたい勝利の追求が原動力となっています。そしてそれは連盟が共有する人間としての本質的な価値から決して目をそらすことなく、実現されています」

 ちなみにフランステニス界はこれまで数々の名選手を輩出してきたが、近年は男女ともに四大大会をはじめとした大規模な大会で思うような結果を残せていない。

 また男子ではジョー・ウィルフリード・ツォンガ(元5位)やジル・シモン(元6位)らスター選手が今シーズンで引退。現在トップ100には10人が入っているものの、トップ50のプレーヤーはアドリアン・マナリノ(46位)とアーサー・リンデルクネシュ(44位)の2人のみとなっている。女子でもトップ100圏内に入っているのはアリゼ・コルネ(36位)と今季キャリア初のトップ5入りを果たしたカロリーヌ・ガルシア(4位)の2人だけだ。

“テニス界の英雄”とも称されるフェデラー氏を指導した経験が、フランステニス界の再建にどう生かされるのか非常に楽しみだ。新たなスタートを切るリュビチッチ氏の手腕に期待が高まっている。

文●中村光佑

【PHOTO】なかなか見られないトッププロの練習風景。フェデラー&リュビチッチも
 

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