昨年6月の全仏オープンで男子テニス史上最多となる22度目のグランドスラム優勝を飾るなど、これまでに数々の輝かしい功績を残してきた元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/36歳/現世界ランク2位)。一方で近年は慢性的なフィジカルの問題に悩まされており、昨季には「現役引退を考えたことがあった」と発言していたほどだった。
ここ最近は事あるごとに報道記者からキャリアの終焉について問われる機会が増えている印象を受けるナダルだが、彼自身は、度々海外メディアのインタビューでも近い将来での引退の可能性をきっぱりと否定してきた。だが、元世界2位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/現13位)はこれに懐疑的な見方を示している。
欧米スポーツメディア『Eurosport』の「2023年シーズンの大胆な予測をする」という特別企画に登場した25歳のズベレフは、ナダルが引退を告げる舞台は通算14度もの優勝を誇るテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)になる可能性が高いと発言。早ければ今年5月末に開かれる同大会(5月28日~6月11日)で栄光の歴史に幕を閉じるのではないかと予想した。
「残念ながらラファ(ナダル)は全仏オープンで引退を発表するだろう。僕は彼にそれを望んでいるわけではないが、彼は大きな大会でプレーし、おそらく優勝してお別れをすると思う」
このズベレフの発言を受け、ナダルはいち早く反論コメントを発表。あくまでも現役にこだわる意欲を見せる36歳の鉄人は「半年後に何が起こるかなんてわからない」と前置きし、改めてまだまだこの先もプレーを続ける意志を表明した。
「ズベレフとはとてもいい関係を築いているが、彼にそんなことを告白するほどではない。今僕はここでテニスをし、素晴らしい2023年シーズンを送ろうとしている。僕のキャリアを通して苦労してきたすべてのことのために戦い、引退のことは考えていない。メディアは毎週毎週(引退の質問を)考えているのだろうね。でも、僕はいつ聞かれても同じように答えるよ」
そんなナダルは、ここにきて苦境に立たされている。昨年9月の全米オープン4回戦敗退を皮切りに黒星を重ねており、新シーズン初戦として出場した男女混合の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」でもシングルスで2連敗。直近7試合では1勝6敗となっている。間もなく開幕を迎える年内最初のグランドスラム「全豪オープン」(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)でのタイトル防衛に向けても不安は募るばかりだ。
それでも幾多の試練を乗り越えてきた彼がこんなところで腐るはずはない。メルボルンでは持ち前の強靭なメンタルと、力強いテニスで再び頂点に立つ姿を見せてほしい。
文●中村光佑
【連続写真】ズベレフの高い打点からエースが取れるフォアハンド
ここ最近は事あるごとに報道記者からキャリアの終焉について問われる機会が増えている印象を受けるナダルだが、彼自身は、度々海外メディアのインタビューでも近い将来での引退の可能性をきっぱりと否定してきた。だが、元世界2位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/現13位)はこれに懐疑的な見方を示している。
欧米スポーツメディア『Eurosport』の「2023年シーズンの大胆な予測をする」という特別企画に登場した25歳のズベレフは、ナダルが引退を告げる舞台は通算14度もの優勝を誇るテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレーコート)になる可能性が高いと発言。早ければ今年5月末に開かれる同大会(5月28日~6月11日)で栄光の歴史に幕を閉じるのではないかと予想した。
「残念ながらラファ(ナダル)は全仏オープンで引退を発表するだろう。僕は彼にそれを望んでいるわけではないが、彼は大きな大会でプレーし、おそらく優勝してお別れをすると思う」
このズベレフの発言を受け、ナダルはいち早く反論コメントを発表。あくまでも現役にこだわる意欲を見せる36歳の鉄人は「半年後に何が起こるかなんてわからない」と前置きし、改めてまだまだこの先もプレーを続ける意志を表明した。
「ズベレフとはとてもいい関係を築いているが、彼にそんなことを告白するほどではない。今僕はここでテニスをし、素晴らしい2023年シーズンを送ろうとしている。僕のキャリアを通して苦労してきたすべてのことのために戦い、引退のことは考えていない。メディアは毎週毎週(引退の質問を)考えているのだろうね。でも、僕はいつ聞かれても同じように答えるよ」
そんなナダルは、ここにきて苦境に立たされている。昨年9月の全米オープン4回戦敗退を皮切りに黒星を重ねており、新シーズン初戦として出場した男女混合の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」でもシングルスで2連敗。直近7試合では1勝6敗となっている。間もなく開幕を迎える年内最初のグランドスラム「全豪オープン」(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)でのタイトル防衛に向けても不安は募るばかりだ。
それでも幾多の試練を乗り越えてきた彼がこんなところで腐るはずはない。メルボルンでは持ち前の強靭なメンタルと、力強いテニスで再び頂点に立つ姿を見せてほしい。
文●中村光佑
【連続写真】ズベレフの高い打点からエースが取れるフォアハンド