専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

全豪主催者が会場へのロシア国旗持ち込みを禁止。観戦中のファンが掲げたことで騒動に<SMASH>

中村光佑

2023.01.18

全豪1回戦で対戦したロシアのラヒモワ(左)とウクライナのバインドル(右)。観客がロシア国旗を掲げたことにウクライナ大使が猛抗議した。(C)Getty Images

全豪1回戦で対戦したロシアのラヒモワ(左)とウクライナのバインドル(右)。観客がロシア国旗を掲げたことにウクライナ大使が猛抗議した。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全豪オープン」を主催するオーストラリア・テニス連盟が、現地1月17日に公式声明を発表。同大会におけるロシア・ベラルーシの国旗の持ち込みを禁止すると通告した。

 事の発端は現地16日に行なわれたカミラ・ラヒモワ(ロシア/世界ランク110位)とカテリナ・バインドル(ウクライナ/同95位)による女子シングルス1回戦でのこと。この試合を観戦していたあるファンが白赤青のロシア国旗を掲げている画像を、オーストラリアとニュージーランドでウクライナ大使を務めるヴァシル・ミロシュニチェンコ氏が自身のツイッター(@AmbVasyl)で公開。

 そして同氏は投稿内で「本日、全豪オープンでウクライナのテニスプレーヤー、カテリナ・バインドルの試合中にロシア国旗が公に掲げられたことを強く非難する。テニス・オーストラリアに対し、“中立的な旗の使用”の方針を直ちに実施するよう求める」と抗議の意を表明したのだ。

 ミロシュニチェンコ氏の要請を受け、豪テニス連盟は公式声明を通じて「ロシアとベラルーシの国旗を観客席に持ち込むことを禁止する」と発表。その経緯について以下のように説明している。
 
「我々の当初の方針は、ファンが国旗を持ち込むことはできるものの、それを使って騒動を起こすことはできないというものでした。(そんな中で)昨日、コートで旗が掲げられる事件がありました。今回の国旗持ち込み禁止令は直ちに適用されます。我々は、テニスを楽しむための最高の環境を確保するために、選手やファンと協力していきます」

 ちなみに昨年7月のウインブルドンではロシア・ベラルーシ国籍のプレーヤーに対する締め出しが行なわれたものの、現状その他のグランドスラムやツアー大会では国名や国旗を使用しない中立の立場で2か国の選手の参加を認めている。

 実は今年の全豪が開幕する直前にもミロシュニチェンコ氏が侵攻国出身の選手の同大会出場禁止を求めていたが、主催側が「テニス統括団体が定める平等の原則」に反するとしてこの要請を却下。「各種国際大会同様、2023年の全豪オープンでもロシア・ベラルーシの選手は中立の立場で参加できます」と事前に発表していた。

 かねてからテニス界はロシア・ベラルーシ人選手に対して厳しい措置を講じようとしない姿勢を見せてきたことで、各方面から批判を浴びてきた。日に日に侵攻国出身のプレーヤーへの反発は高まっているようだが、今はとにかく全豪が大きな問題なく進行することを祈るしかない。

文●中村光佑

【PHOTO】準優勝したメドベージェフをはじめ、全豪オープン2022で活躍した男子選手の厳選ショット!
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号