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国内テニス

「“へこたれない精神”を培った」AKB48のテニスアイドル、佐藤朱がテニスで得たもの、伝えたいこと  

内田暁

2019.12.07

特技であるテニスを生かし、生存競争激しいアイドルの中で個性を確立しつつある「あかりん」ことAKB48の佐藤朱。写真:田中研治

特技であるテニスを生かし、生存競争激しいアイドルの中で個性を確立しつつある「あかりん」ことAKB48の佐藤朱。写真:田中研治

 AKB48のメンバーとしてアイドル活動をするかたわら、高校時代にインターハイにも出場したほどの腕前を生かし、全国津々浦々イベント等を介してテニスの普及活動にもいそしむ、『あかりん』こと佐藤朱。今や彼女を通してテニスを知り、テニスを好きになったというファンも多くいる。

 そのあかりんに、彼女自身のテニスとの出会いやテニスが与えてくれたもの、そして普及への想いを語ってもらった。
 
 暦の上ではとっくに秋ながら、まだ晩夏の日差しが名残惜しそうにコートを照らす、大阪市・靱テニス公園――。
 数カ月前には、大坂なおみが東レパンパシフィックの優勝杯を掲げたセンターコートに、ポップなミュージックとともにボールを叩くインパクト音や快活な人々の声、そして、カメラのシャッター音が響いていた。
 
 “テニスクリニック in UTSUBO”と銘打たれたこのイベントは、2017年に第一線を退いた元プロ、久見香奈恵と、テニス芸人ことバモスわたなべ、そしてあかりんの3名が、一般公募で選ばれた方たちにテニスを教えるというクリニックである。参加者は、ほぼ初めてラケットを握る初心者から、相当に試合慣れした上級者たち、さらに年齢も小学生からシニアまでと幅広い。それでも、それら総計70人に及ぶ参加者には、固い共通項があった。それは、皆がテニスを心から楽しんでおり、そして、佐藤朱のファンという点だ。
 
「イベント参加者の方の中には、もともとは私のファンでテニスに興味を持ち、そのままスクールに通い始めたり、ラケットやウェアも一式揃えてくださったという方もいらっしゃるんです。全日本選手権も見に行かれたという方もいたし、かなり本格的にテニスに興味を持たれたという声も多く聞きます。ありがたいですし、私を通じて、テニスを知る方をもっともっと増やして行きたいと思います」
 
 テニスイベントの常連となったファンが上達する姿を見て、彼女はそんな思いを抱くという。現に今回のイベントでも、経験者コースに参加した30歳台の男性は、「もともとあかりんのファンでテニスに興味を持ち、雑誌を買ったり、自分でもテニスをするようになりました」と言っていた。週1でスクールに通い始め1年が経つ彼は、今ではテニスの奥深さや身体を動かす爽快感にも取り憑かれ、「家でも、普通に素振りとかしていますね」と笑顔で明かす。クリニックで久見プロのアドバイスに耳を傾け、華麗にサービスやボレーを打つ姿は、間違いなく本格的な経験者のそれだ。
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