すでに芸能活動で多くの大舞台を踏んできた彼女は、テニスで得たものがアイドル活動にも生きている点を、次のように語る。
　
「テニスの練習では、追い込む時はとことん追い込むし、『まだまだ！　走れー！』という感じでやってきたので、“へこたれない精神”はテニスで培ったと思います。アイドル活動でも、うまくいかなくてへこたれそうな時もあるけれど、『あのテニスの練習を乗り込えたんだから、今もきっと乗り越えられる！』という思いで、精神的には強くやってこられたと思います。
　あとテニスは、競技として勝つことも大切ですが、エキジビションなどでは魅せるテニス、見て楽しんで頂くテニスもあります。それはアイドルの活動とも共通しているし、逆にテニスのイベントなどで勉強させて頂いていることでもあります」
  　そう……テニスで培ってきたこの姿勢とパフォーマンス、そして周囲の人々を思う心があるからこそ、ファンは彼女とテニスの両方に惹かれるのだろう。実際に最近ではファンから、「テニスをやっている時が、生き生きしていてすごくいい」、「テニスをやってみたくなった」という声も聞くという。

　そんなファンの声をうれしく思う彼女は、今回の取材の最後に、テニスへの想いと今後の願いを、生き生きと、そして熱を込めて言葉にしてくれた。

「テニスは対人スポーツで、一人の世界に入り込みがちです。でも練習では、ボールを通じて意思疎通し、楽しい時も、気持ちがぶつかり合う時もある。テニスを通じて、性格的にも前向きでポジティブになったところがすごくあるので、私にとってテニスは、人間性を高めたり、良い方向に変えてくれた存在かなと思います。
　そのテニスを一緒に楽しんでくださるファンに感謝していますし、試合会場に足を運んで、プロの迫力あるプレーを生で見ていただきたいとも思います。私もテニスの素晴らしさを広く伝えていきたいですし、テニスの普及に少しでも貢献できているようでしたら、すごくうれしいです」

取材・文●内田暁