そのように、あかりんのファンたちがテニスにも惹かれた訳は、彼女がテニスに魅了された原点や上達のプロセスとも、深く関係しているだろう。

　テニス愛好家の両親につれられ５歳の頃に地元宮城でラケットを握った彼女は、始めた当初は、「スクールのクラスでも、一番へたっぴでした」と振り返る。

「だから、最初はスクールに行くのも好きではなかったんですが、両親に協力してもらい、自分たちでコートを取って“自主練”するようになりました。すると、できなかったレッスンメニューができるようになり、そうやってちょっとずつ課題をクリアしていくのが楽しくて、それが上達につながったのかなと思います」
　
　苦手だったフットワークもトレーニングを重ね、中学生の後半あたりからはプレースタイルも、早いタイミングでボールを捉え、自らポイントを奪う攻撃的なものへと変化した。
　
　そのようにテニスが一気に上達し、勝利や戦績と共に自信も得たタイミングで、以前から好きだったAKB48の新しいチームとして、全国47都道府県の代表メンバーで結成される「Team 8」の 全国一斉オーディションが、宮城県でも行なわれることを知る。
  「オーディションが地元での開催だったので、東京まで行かなくても大丈夫だということもあり受けたのですが……まさか受かると思っていなくて！　でもせっかく大好きなグループに受かったので、やってみようと思いました。本当に、巡り合わせだと思います」

　本人は「まさか」とその時を振り返るが、テニスの上達とオーディション合格のタイミングが「巡り合った」のも、決して偶然ではないだろう。オーディションにはラケットを持参し、素振りを披露したのも有名な話。テニスは彼女にとって「自分らしさであり、覚えていただくための個性」でもあるのだ。