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国内テニス

「『もう十分』が、ふとした瞬間に」車いすテニスのレジェンド国枝慎吾が引退会見で語った決意の舞台裏<SMASH>

前道右京(スマッシュ編集部)

2023.02.08

笑顔で引退会見に臨む国枝。これまでの競技人生、今後の活動について語った。写真:スマッシュ編集部

笑顔で引退会見に臨む国枝。これまでの競技人生、今後の活動について語った。写真:スマッシュ編集部

 先月22日に現役引退を表明した車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾(38歳)が、2月7日にユニクロ本部(東京/有明)で引退会見を敢行。これまでのテニス人生を振り返るとともに、今後の活動について語った。

 グランドスラム(GS)のシングルスで28度、ダブルスで22度の優勝を誇る国枝は、パラリンピックでもシングルスで3度、ダブルスで1度の金メダルを獲得。昨年は、ウインブルドン初制覇を果たし、生涯ゴールデンスラム(五輪と全てのGSで優勝)を達成するなど、初めて世界1位の座に就いた06年から長きにわたり世界のトップとして君臨し続けた。

 会見では、引退を決めた理由について言及。昨年のウインブルドンでタイトルを獲得した瞬間、「『これで引退だな』って言葉が一番最初に出た」と言い、さらに全米オープンで準優勝となった後には、「『もう十分』が、ふとした瞬間に口癖のように出てしまった。これはそういう(引退の)タイミングなのかなというところで、引退を決意した」と話している。
 
 また、自身の活動を支援してくれたスポンサーや関係者、家族のほか、仲間やファンに感謝を述べた国枝は、「最高のテニス人生だった」と断言。

 今後のビジョンについては、「自分の中では、何をしていきたいのかなっていうのはぼんやりと出てきた」としながらも、「それを今言っちゃうと、それをやらなきゃいけない感じもしちゃうので、まだ心の中に秘めておきたい」と語り、次のように続けた。

「僕は現役生活、何と戦ってきたのかを考えて、もちろん1つは相手と戦う、また自分とも戦いもあるし、もう1つはある意味車いすテニスを社会的に認めさせたいとか、スポーツとして、いかに魅せるかというところにこだわってきたという知ってところもあった。テニスをしていくなかで皆さんに(車いすテニスを)知ってもらいたいというのが強くあったので、そこの活動っていうのは、実際この後も続いていくのかなと思う」

 闘志溢れるプレーで、長きにわたって世界のトップを走り続けた国枝。セカンドキャリアではどのような活躍が見られるだろうか。

取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)

【PHOTO】国枝慎吾はじめ東京オリンピック・パラリンピックのテニス競技のメダリストたち

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