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国内テニス

全豪オープン女子ダブルス準優勝の青山修子を掻き立てる、まだ見ぬ景色への渇望<SMASH>

内田暁

2023.02.16

さらなる成長を視野に現在開催中のカタール・オープンでは、6年ぶりに二宮真琴とペアを組んだダブルススペシャリストの青山修子(写真は今年2月のアブダビ・オープン)。(C)Getty Images

さらなる成長を視野に現在開催中のカタール・オープンでは、6年ぶりに二宮真琴とペアを組んだダブルススペシャリストの青山修子(写真は今年2月のアブダビ・オープン)。(C)Getty Images

「以前に組んでいた時よりも、サービスもリターンの確率が良くなったし、鋭さも増していた。やっぱり上で勝っている選手だなと思ったし、前の動きは相変わらず。自分がしょぼいボールを打っても前でちゃんと止めてくれるので、心強さがありました」

“パートナー・青山修子”の頼もしさを、二宮真琴はスラスラと列挙した。

 二人が最後にダブルスを組んだのは、2017年の2月。今年のカタール・オープンは、実に6年ぶりの再結成で挑む大会である。

 7年前のペア結成は、「二宮さんと組んでみたい」という青山の思いから始まった。

 その後、スケジュールや単複の歩調が合わずいったんは解消となったが、昨年末にNTC(ナショナルトレーニングセンター)で二宮の練習を見た時、青山は改めて「組んでみたいな」と思ったという。

 実際に二宮と久々に組んだ時、試合に吹き込む新鮮な風や質感を、青山は感じたという。

「一緒にポイント練習をした時に、やはり二宮さんはタイミングの早さやボールの勢いや鋭さがあるので、早めに準備しないと(自分の反応が)遅れちゃうなと感じました。柴原(瑛菜)さんと組んでいた時とは違う動きを求められるので、それは自分にとって、すごくいいなと思うんです」
 
 二宮と組むことにより速まったそのリズムを、さらに上回る反応と瞬発力。

 35歳を迎えなお鋭さを増すその動きは、日々のトレーニングや、入念なウォームアップとクールダウンの賜物だ。

 昨年末、ビリー・ジーン・キング・カップ(女子テニス国別対抗戦)日本代表に選出された17歳の石井さやかは、青山の試合前の準備を見て「とても勉強になった」と言った。

「青山さんのアップを見て、ものすごく細かくやるんだなって思いました。ケガをしないための身体作りなども、すごく徹底されてると感じて」

 17歳を感嘆させた精緻で丹念な取り組みは、青山本人も「ケガが少ないのはそのお陰かな」と認める要因。

 とりわけ彼女が「大きかった」と強調するのは、プロ転向間もない頃に、トレーナーの北村珠美に師事した経験だ。

「20代前半から中旬にかけて、しっかりトレーニングに取り組んだ期間があり、そこで土台ができたのかなと思います。今は、その当時に比べて量やウェイトの重さも上がってはいませんが、一定の内容をしっかりやり続けられてはいる。あと大きいのは、ツアーを回りながら体幹トレーニングやストレッチをしっかりやってから練習する癖を、北村さんに付けてもらったこと。それがあるから、今もケガなくやれているのかなと思います」

 それらフィジカル面の安定に加え、技術面でも今なお成長を感じていることが、モチベーションになっている。
 
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