連日熱戦が繰り広げられている男子テニスツアーのマスターズ1000大会「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)でのあるシーンがファンの間で話題となっている。
現地3月13日に行なわれたスタン・ワウリンカ(スイス/世界ランク100位)とホルガー・ルネ(デンマーク/8位)によるシングルス3回戦でのこと。試合は序盤から主導権を握ったワウリンカが先にマッチポイントを迎えながらも、ルネが驚異の粘りを見せてセットオールに持ち込み、勝負の行方はファイナルセットへ。終盤の第11ゲームで値千金のブレークを果たしたワウリンカが何とか逃げ切り、6-2、6-7(5)、7-5で勝利してベスト16に駒を進めた。
激闘を戦い抜いた両者はネットで握手を交わしながら何やら言葉を交わしていた。海外メディア『UBITENNIS』によると、まずルネがワウリンカに「今日は何か僕に言うことはないの?」と話し掛けたが、これに対してワウリンカは何のことかわからず「僕に何を言ってほしいんだ?」と答えたという。中継カメラではこの他にも2人が何か話す様子が映されたが、コート上に設置されていたマイクはそれを拾うことができなかったようだ。
実は今回の両者のやり取りはワウリンカとルネが初めて対戦した昨年11月のロレックス・パリ・マスターズ(ATP1000)1回戦でのあるシーンが関係している。
その試合の第3セットでマッチポイントを握りながらも逆転で敗れたワウリンカが、試合後の握手時にルネの耳元で「コート上で赤ちゃんみたいに振る舞うのはやめた方がいい」と忠告していた。というのもルネはかねてからコート上での態度の悪さが問題視されており、ワウリンカは大きな期待を寄せられている19歳の行く末を心配したからのようだ。
要するにルネの「今日は何か僕に言うことはないの?」という言葉はパリ大会での一件を踏まえたものだったのだが、ワウリンカはその時のことをすっかり忘れてしまっていたのだろうか。それでも2人のこの緊迫したやり取りは必然的に多くのファンの目に留まり、SNS上では様々な反響が寄せられた。
勝利したワウリンカは試合後の会見で、ルネと言葉を交わしたシーンについて「あまり言うことはない」と前置きしつつも、男子テニス界のニューヒーローに再び"激励の喝"を入れた。
「唯一付け加えるとすれば、彼は若い選手で、非常に大きな可能性を秘めたチャンピオンだということだ。しかしながら彼はロッカールームでいつか後悔するような悪評を買っている」
話はさらに飛び火する。その後テニスストリーミングサイト『TENNIS TV』が公式インスタグラムで、ワウリンカとルネの前回および今回の握手シーンを公開した。すると2015年のカナダ・マスターズで試合中にワウリンカに対して「(親友の)コキナキスがあんたのガールフレンドを寝取った」と言い放ったニック・キリオス(オーストラリア/22位)がこれに反応。
「ワウリンカに因縁をつけたいのではないか」とルネに批判の声も多く上がっている中、キリオスはワウリンカと確執があるためか「ルネ、俺はお前の味方をするぜ」と一言綴った。
無関係なキリオスまでしゃしゃり出てきた今回の騒動、果たしてこのまま収まるのか。成り行きが気になるところである。
文●中村光佑
【PHOTO】ワウリンカのサービスフォームの変遷。2010年と2016年を比較した連続写真
現地3月13日に行なわれたスタン・ワウリンカ(スイス/世界ランク100位)とホルガー・ルネ(デンマーク/8位)によるシングルス3回戦でのこと。試合は序盤から主導権を握ったワウリンカが先にマッチポイントを迎えながらも、ルネが驚異の粘りを見せてセットオールに持ち込み、勝負の行方はファイナルセットへ。終盤の第11ゲームで値千金のブレークを果たしたワウリンカが何とか逃げ切り、6-2、6-7(5)、7-5で勝利してベスト16に駒を進めた。
激闘を戦い抜いた両者はネットで握手を交わしながら何やら言葉を交わしていた。海外メディア『UBITENNIS』によると、まずルネがワウリンカに「今日は何か僕に言うことはないの?」と話し掛けたが、これに対してワウリンカは何のことかわからず「僕に何を言ってほしいんだ?」と答えたという。中継カメラではこの他にも2人が何か話す様子が映されたが、コート上に設置されていたマイクはそれを拾うことができなかったようだ。
実は今回の両者のやり取りはワウリンカとルネが初めて対戦した昨年11月のロレックス・パリ・マスターズ(ATP1000)1回戦でのあるシーンが関係している。
その試合の第3セットでマッチポイントを握りながらも逆転で敗れたワウリンカが、試合後の握手時にルネの耳元で「コート上で赤ちゃんみたいに振る舞うのはやめた方がいい」と忠告していた。というのもルネはかねてからコート上での態度の悪さが問題視されており、ワウリンカは大きな期待を寄せられている19歳の行く末を心配したからのようだ。
要するにルネの「今日は何か僕に言うことはないの?」という言葉はパリ大会での一件を踏まえたものだったのだが、ワウリンカはその時のことをすっかり忘れてしまっていたのだろうか。それでも2人のこの緊迫したやり取りは必然的に多くのファンの目に留まり、SNS上では様々な反響が寄せられた。
勝利したワウリンカは試合後の会見で、ルネと言葉を交わしたシーンについて「あまり言うことはない」と前置きしつつも、男子テニス界のニューヒーローに再び"激励の喝"を入れた。
「唯一付け加えるとすれば、彼は若い選手で、非常に大きな可能性を秘めたチャンピオンだということだ。しかしながら彼はロッカールームでいつか後悔するような悪評を買っている」
話はさらに飛び火する。その後テニスストリーミングサイト『TENNIS TV』が公式インスタグラムで、ワウリンカとルネの前回および今回の握手シーンを公開した。すると2015年のカナダ・マスターズで試合中にワウリンカに対して「(親友の)コキナキスがあんたのガールフレンドを寝取った」と言い放ったニック・キリオス(オーストラリア/22位)がこれに反応。
「ワウリンカに因縁をつけたいのではないか」とルネに批判の声も多く上がっている中、キリオスはワウリンカと確執があるためか「ルネ、俺はお前の味方をするぜ」と一言綴った。
無関係なキリオスまでしゃしゃり出てきた今回の騒動、果たしてこのまま収まるのか。成り行きが気になるところである。
文●中村光佑
【PHOTO】ワウリンカのサービスフォームの変遷。2010年と2016年を比較した連続写真