男子テニスツアーのマスターズ1000大会「マイアミ・オープン」(3月22日~4月2日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)は、現地4月2日にシングルス決勝を実施。第4シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク5位)が、第10シードのヤニック・シナー(イタリア/同11位)を7-5、6-3のストレートで下し、キャリア19度目のツアー優勝を飾った。
2月のロッテルダム大会(ATP500)から3週連続優勝を果たし、3月初旬のBNPパリバ・オープンでも準優勝を収めたメドベージェフ。絶好調の27歳は、今大会も初戦(2回戦)から安定した試合運びで勝ち上がってきた。準決勝では2時間17分のタフマッチを強いられながらも同郷のカレン・ハチャノフ(16位)にフルセットで勝利。5週連続のツアー決勝へ駒を進めていた。
対するは2021年のマイアミで準優勝を経験している21歳のシナー。持ち前の力強いテニスで順調に勝ち進み、準決勝では3時間を超える激戦の末に19歳の世界王者カルロス・アルカラス(スペイン)を逆転で撃破。四大大会に次ぐマスターズ1000大会での悲願の初タイトル獲得に王手をかけていた。ちなみに両者は公式戦で過去5度対戦しているが、いずれもメドベージェフがシナーに勝利している。
この日の決勝では序盤こそ互いにサービスキープが続くも、第5ゲームではメドベージェフが、ダブルフォールトを重ねて先にブレークを献上する苦しい展開となる。それでも直後の第6ゲームですかさずブレークバックに成功。攻撃的なプレーを見せながらも、重要なポイントでは相手のミスを誘うプレーに徹したメドベージェフが、第12ゲームで再びブレークを奪って1セットアップとする。
これで流れに乗ったメドベージェフは、第2セットに入っても正確なストロークを軸にポイントを量産する。徐々に動きのキレが落ちていくシナーに付け入る隙を与えず、第2・第4ゲームでブレークを果たして主導権を確保。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第9ゲームも難なくキープし、1時間34分で勝利を収めた。
21年のトロント大会以来通算5度目となるマスターズ優勝を手にしたメドベージェフは、オンコートインタビューで初めに試合を振り返り、「タフだったね。今日は今大会の中で最も暑くて、湿度も高かったのだろう。簡単なコンディションではなかった。途中ヤニック(シナー)が小さなケガをしたのか、ケイレンを起こしたのかはわからない。僕も苦しかったけど、それを見せないようにしたよ」とコメント。
そのうえで「このようなビッグタイトルを獲得するのは、おそらく1年半ぶりだ。最後はかなり動揺した。勝つことを恐れているわけではないから、決して気が張っていたわけではない。それでもやっぱり手が少し震えてしまうから、サーブの調子も少々狂ってしまうものだ。なんとか本来の自分を取り戻し、試合を終わらせることができたよ」とホッとした表情を見せながら喜びを表現した。
今回の優勝により4月3日に更新される世界ランキングで4位に浮上することが確定したメドベージェフ。次はいよいよ苦手なクレーシーズンへ突入するが、赤土のコートでも質の高いプレーを維持できるか注目だ。
文●中村光佑
【PHOTO】全豪オープン2023で、メドベージェフはじめ熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真!
2月のロッテルダム大会(ATP500)から3週連続優勝を果たし、3月初旬のBNPパリバ・オープンでも準優勝を収めたメドベージェフ。絶好調の27歳は、今大会も初戦(2回戦)から安定した試合運びで勝ち上がってきた。準決勝では2時間17分のタフマッチを強いられながらも同郷のカレン・ハチャノフ(16位)にフルセットで勝利。5週連続のツアー決勝へ駒を進めていた。
対するは2021年のマイアミで準優勝を経験している21歳のシナー。持ち前の力強いテニスで順調に勝ち進み、準決勝では3時間を超える激戦の末に19歳の世界王者カルロス・アルカラス(スペイン)を逆転で撃破。四大大会に次ぐマスターズ1000大会での悲願の初タイトル獲得に王手をかけていた。ちなみに両者は公式戦で過去5度対戦しているが、いずれもメドベージェフがシナーに勝利している。
この日の決勝では序盤こそ互いにサービスキープが続くも、第5ゲームではメドベージェフが、ダブルフォールトを重ねて先にブレークを献上する苦しい展開となる。それでも直後の第6ゲームですかさずブレークバックに成功。攻撃的なプレーを見せながらも、重要なポイントでは相手のミスを誘うプレーに徹したメドベージェフが、第12ゲームで再びブレークを奪って1セットアップとする。
これで流れに乗ったメドベージェフは、第2セットに入っても正確なストロークを軸にポイントを量産する。徐々に動きのキレが落ちていくシナーに付け入る隙を与えず、第2・第4ゲームでブレークを果たして主導権を確保。サービング・フォー・ザ・チャンピオンシップとなった第9ゲームも難なくキープし、1時間34分で勝利を収めた。
21年のトロント大会以来通算5度目となるマスターズ優勝を手にしたメドベージェフは、オンコートインタビューで初めに試合を振り返り、「タフだったね。今日は今大会の中で最も暑くて、湿度も高かったのだろう。簡単なコンディションではなかった。途中ヤニック(シナー)が小さなケガをしたのか、ケイレンを起こしたのかはわからない。僕も苦しかったけど、それを見せないようにしたよ」とコメント。
そのうえで「このようなビッグタイトルを獲得するのは、おそらく1年半ぶりだ。最後はかなり動揺した。勝つことを恐れているわけではないから、決して気が張っていたわけではない。それでもやっぱり手が少し震えてしまうから、サーブの調子も少々狂ってしまうものだ。なんとか本来の自分を取り戻し、試合を終わらせることができたよ」とホッとした表情を見せながら喜びを表現した。
今回の優勝により4月3日に更新される世界ランキングで4位に浮上することが確定したメドベージェフ。次はいよいよ苦手なクレーシーズンへ突入するが、赤土のコートでも質の高いプレーを維持できるか注目だ。
文●中村光佑
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