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海外テニス

女王シフィオンテクが「テニス界はもっと早くロシア勢を除外すべきだった」と考えを明かす<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.04.07

ロシアによるウクライナ侵攻当初から反戦意識の高かったシフィオンテクがテニス界の対応の遅さを指摘した。(C)Getty Images

ロシアによるウクライナ侵攻当初から反戦意識の高かったシフィオンテクがテニス界の対応の遅さを指摘した。(C)Getty Images

 昨年2月に勃発したロシアによるウクライナ侵攻によって世界中で広がったロシア排除の動き。テニス界も同3月には、ロシア国内での大会中止や国際団体戦のメンバーからの除外を表明。ただし、国名や国旗を使用しないことを条件に“個人”としてのツアー参戦をロシアと協力国ベラルーシの選手に認めた。

 だが、テニス四大大会の一つである「ウインブルドン」(イギリス)は、大会からロシアとベラルーシ選手の除外を決定。ATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)が猛反発したものの「当該国の選手がプロパガンダ(政治的な宣伝)に利用される危険性がある」ことを理由に、ロシア・ベラルーシ勢のエントリーを認めなかった。

 あれから約10カ月の時を経た現在、ウインブルドンは今年の大会では「ロシアとベラルーシの選手を中立な立場として迎え入れる」ことを決定。テニスの“聖地”は再び全ての選手に向けてその扉を開いたのである。

 こうした一連の流れに対して今年4月6日、女子テニス世界1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が英メディア『BBC』のインタビューで「テニス界は決断を下すのが遅かった」と自身の考えを述べた。
 
「私たちはただのアスリートであり、世界規模で見れば小さな存在です。とはいえスポーツはとても重要であり、スポーツは常にプロパガンダに利用されてきました。テニス界はそのことを最初(ウクライナ侵攻直後)から考慮すべきでした」ともっと早い段階でロシア・ベラルーシ勢の除外を実施すべきだったとした。

 とはいえ「今になってロシアとベラルーシを除外するのはかなり不公平なことだと思う」と語り、今年のウインブルドンが両国の選手の出場を認めたことに理解を示した。

 ウクライナ侵攻以降、ツアーのロッカールームは常に「独特の緊張感が漂っている」というシフィオンテク。だが彼女自身もロシアやベラルーシ選手と個人として向き合う場合は少し違うという。

「ダリア・カサキナ(ロシア)は当初戦争に反対していて『戦争が終わることが夢』だと公言していました。私はその言葉を信じます。けれども彼女たちの置かれた状況はとても複雑で時にはそれについて声を上げるのが難しいこともあるのです」

 どうすれば戦争を止めることができるのか。どうすれば効果があるのか。テニス協会、大会主催者、そしてプレーヤーは、試行錯誤しながらその糸口を探している。

構成●スマッシュ編集部

【画像】シフィオンテクをはじめ、全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた女子選手たち!

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