今年から創設された女子ITF(国際テニス連盟)ツアーの「W15大阪 大東建託オープン supported by JWT50」は4月23日に最終日を迎え、ITC靭テニスセンター(大阪市)でシングルス決勝を実施。川口夏実(20歳/世界ランク689位)が倉持美穂(24歳/732位)に6-4、6-1でストレート勝ちし、タイトルを手にした。
この大会は日本女子テニス界のレジェンドである伊達公子さんや杉山愛さんらで構成する「Japan Women's Tennis Top50 Club」(JWT50)が、世界への登竜門として作ったITFツアー6大会のうちの1つで、最初の大会に当たる。賞金総額は下部ツアーであるITFツアーの中でも最も低い15,000ドルに設定し、世界のランキングポイントが乏しいジュニアや若手でも挑戦しやすいように配慮した。
決勝に駒を進めた川口と倉持は共にノーシードで今回が初対戦。試合は先に倉持がブレークしては川口がすぐにブレークバックする展開で、倉持のリードで進んだが、4-4から川口がキープして初めて5-4とリードすると、続く第10ゲームを川口がブレークして第1セットを先取。第2セットはそのままペースを握った川口が倉持に1つしかキープを許さず、6-1で押し切って頂点に駆け上った。試合時間は1時間44分。
川口と言えば2019年の全豪ジュニア・ダブルスで優勝し、ホープとして注目された逸材。錦織圭らを輩出した盛田正明テニスファンド(MMTF)の支援でアメリカにテニス留学し、毎年基準をクリアして女子初のMMTF卒業生となった。プロ転向後はケガもあって思うような結果を出せない時期が続いたが、今年3月の「亜細亜大学国際女子オープン」で約4年ぶりのITF優勝を果たすと、今大会も制し、いよいよ本領を発揮し始めた感がある。
一方、準優勝の倉持も、24歳ではあるが力を伸ばしている選手だ。倉持は早稲田大学4年だった2020年に関東学生トーナメントで初めての学生タイトルを手にし、21年に卒業と同時にプロ転向。初めてITF大会に出たのは卒業後のことで、地道に国内外の大会を回って力を付け、この3月にトルコの15,000ドル大会でITF初優勝を飾った。今大会では早大の同期である第1シードの清水映里を破っており、最近の成長は著しい。
2人ともジュニアではないものの今後の飛躍が期待される選手。また前日のダブルス決勝では17歳の虫賀心央と18歳の伊藤あおいのペアが接戦を制して優勝しており、大会創設の趣旨を身をもって体現している。
次週は大東建託オープンの第2戦「W15福井」が続けて行なわれる(4月24日~30日/福井県営福井運動公園)。世界への足掛かりとして、多くの選手がこのチャンスを生かしてほしい。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】春のITFシリーズの一つ「2023筑波大学MEIKEIオープン」の決勝スナップ集
この大会は日本女子テニス界のレジェンドである伊達公子さんや杉山愛さんらで構成する「Japan Women's Tennis Top50 Club」(JWT50)が、世界への登竜門として作ったITFツアー6大会のうちの1つで、最初の大会に当たる。賞金総額は下部ツアーであるITFツアーの中でも最も低い15,000ドルに設定し、世界のランキングポイントが乏しいジュニアや若手でも挑戦しやすいように配慮した。
決勝に駒を進めた川口と倉持は共にノーシードで今回が初対戦。試合は先に倉持がブレークしては川口がすぐにブレークバックする展開で、倉持のリードで進んだが、4-4から川口がキープして初めて5-4とリードすると、続く第10ゲームを川口がブレークして第1セットを先取。第2セットはそのままペースを握った川口が倉持に1つしかキープを許さず、6-1で押し切って頂点に駆け上った。試合時間は1時間44分。
川口と言えば2019年の全豪ジュニア・ダブルスで優勝し、ホープとして注目された逸材。錦織圭らを輩出した盛田正明テニスファンド(MMTF)の支援でアメリカにテニス留学し、毎年基準をクリアして女子初のMMTF卒業生となった。プロ転向後はケガもあって思うような結果を出せない時期が続いたが、今年3月の「亜細亜大学国際女子オープン」で約4年ぶりのITF優勝を果たすと、今大会も制し、いよいよ本領を発揮し始めた感がある。
一方、準優勝の倉持も、24歳ではあるが力を伸ばしている選手だ。倉持は早稲田大学4年だった2020年に関東学生トーナメントで初めての学生タイトルを手にし、21年に卒業と同時にプロ転向。初めてITF大会に出たのは卒業後のことで、地道に国内外の大会を回って力を付け、この3月にトルコの15,000ドル大会でITF初優勝を飾った。今大会では早大の同期である第1シードの清水映里を破っており、最近の成長は著しい。
2人ともジュニアではないものの今後の飛躍が期待される選手。また前日のダブルス決勝では17歳の虫賀心央と18歳の伊藤あおいのペアが接戦を制して優勝しており、大会創設の趣旨を身をもって体現している。
次週は大東建託オープンの第2戦「W15福井」が続けて行なわれる(4月24日~30日/福井県営福井運動公園)。世界への足掛かりとして、多くの選手がこのチャンスを生かしてほしい。
構成●スマッシュ編集部
【PHOTO】春のITFシリーズの一つ「2023筑波大学MEIKEIオープン」の決勝スナップ集