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【伊達公子】日本女子テニスが危機的状況の今、プロ転向した石井さやかの成長に期待<SMASH>

伊達公子

2023.05.05

石井さやかには「勝負強い選手になってほしい」と言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 今月末から全仏オープンテニスが始まりますが、とうとう日本人女子選手の本戦ダイレクトインが厳しいという状況になってしまいました。100位台は、日比野菜緒、内島萌夏、本玉真唯の3選手のみです。

 大坂なおみ選手の妊娠は予想できませんが、奈良くるみ選手が引退し、土居美咲選手は32歳でキャリア終盤になる時期がくることはわかっていました。しかし、彼女たちの下の年代が育っていません。

 大坂選手のサポートを優先し、強化にお金をかけられなかった影響が出てきているわけです。強化をしてこなかったわけではないと思いますが、やり方がうまくいかず、その修正ができていないことが響いています。加えて、ツアーの世界で選手を引っ張っていくツアーコーチの人材不足も要因に挙げられるでしょう。

 日本女子が現在の危機的状況を脱するには、若手の成長のスピードを上げるしかありません。そんな中、3月に17歳の石井さやか選手がプロ転向記者会見を行ないました。
 
 彼女はフィジカルに恵まれていますね。初めて見た時は粗削りでダイナミックなプレーをする印象でした。その後、意外にまとまってきたと感じた時もありましたが、最近は安定感に加えて武器も見えるようなプレーになってきています。

 彼女には勝負強い選手になってほしいです。父親が元野球選手の石井琢朗さんで、そのDNAを受け継いでいるわけですから、他の選手にはない勝負強さを試合中に発揮できるのではないでしょうか。最近は大一番に強い選手がいないので、そういう選手になってくれることを期待しています。

 そして、高校卒業時期まで待たず、17歳でプロ宣言をしたので、早めにプロの舞台へと移行できるでしょう。彼女と同年代の選手にも良い刺激になったと思います。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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