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国内テニス

春の関東学生、女子は吉本菜月が初優勝!「冷静に考えられた」多彩な配球で第1シードを下す<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2023.05.08

写真左/関東学生女子シングルスで初優勝した吉本菜月。筑波勢の男女アベック優勝は5年ぶり。写真右/優勝の吉本(左側)と準優勝の神鳥舞(右側)。撮影:北沢勇

写真左/関東学生女子シングルスで初優勝した吉本菜月。筑波勢の男女アベック優勝は5年ぶり。写真右/優勝の吉本(左側)と準優勝の神鳥舞(右側)。撮影:北沢勇

 大学テニスのシーズンインを告げる「2023年度関東学生テニストーナメント」は5月1日から新装となった有明テニスの森公園(東京)で開催。最終日の7日は雨天のため会場を早稲田大学東伏見コート(東京)に移し、各種目の決勝が行なわれた。

 女子シングルス決勝は第1シードの神鳥舞(早稲田大学4年)と学生大会初タイトルを目指す吉本菜月(筑波大学2年)が対戦。今大会、失セット0で勝ち上がってきた吉本が勢いのままに6-2、6-3でストレート勝ちし、初優勝を飾った。

 神鳥は昨年の全日本学生(インカレ)で準優勝、インカレ室内で優勝している実力者だが、今大会は就職活動の影響で十分な練習ができず、接戦を何とか切り抜けての決勝進出。それでも決勝の立ち上がりでは自分から展開を作って吉本を振り回し、2-0とリードする。しかしそれが長く続かない。

 吉本が引かずに重くて深い強打を打ち込み始めると、神鳥のミスが徐々に増え、吉本が一気に6ゲーム連取して第1セットを先取する。第2セットは互いにブレークし合う展開となり、一時は神鳥がリードするが、ここで冷静だったのは吉本だ。

「打ち急ぎのミスが増えていたので、ここは相手ではなく自分次第、粘らなければ勝てないと思った」と吉本。元来は攻めるテニスがベースの吉本だが、最近はプレーの幅を広げる努力もしてきた。
 
「全てのボールを強打するのはリスクもあるし、ペースも一定になって相手に慣れられてしまう。(準決勝で惜敗した)去年のインカレ室内以降、ロブとか低くて浅いボールとかを使って、相手に足を使わせる練習をしてきた」

 これが今の神鳥には効いたのだろう。「それを使うように冷静に考えられた」という吉本が、色々なボールを混ぜて神鳥のミスを引き出すと、再び流れを引き寄せて2-3から4ゲーム連取。6-3として初の学生タイトルを手中にした。

 終わってみればシングルスは男女とも筑波が制覇。吉本も男子優勝の田中佑と同じく、次に目指すのはインカレタイトルだ。一昨年の全日本ジュニア準優勝者である吉本は、昨年のインカレでも活躍が期待されたが、直前にコロナにかかって練習が不足し、1回戦で全身ケイレンして敗れた苦い思い出がある。

「今回はコンディションを整え、一戦一戦、丁寧な攻撃と強い気持ちで優勝を目指したい」。雪辱に向け最高のシーズンスタートを切った。

 なお女子ダブルス決勝は大坪花/星野桃花(東京国際大学)と堤華蓮/大川美佐(慶應義塾大学)が対戦。大坪/星野がフルセットの接戦を制して初優勝を飾った。

◆女子シングルス決勝
吉本菜月(筑波大学)[5~8] 6-2 6-3 神鳥舞(早稲田大学)[1]

◆女子ダブルス決勝
大坪花/星野桃花(東京国際大学)[3~4] 7-5 1-6 10-6 堤華蓮/大川美佐(慶應義塾大学)[2]

※[ ]内の数字はシード順位

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

【PHOTO】2023年度関東学生トーナメント、シングルス&ダブルス決勝スナップ集
 

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