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国内テニス

伝統のテニス早慶戦、男子は慶大が快勝! 春の対戦では実に26年ぶりの勝利を飾る<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2023.05.15

春の早慶戦男子、慶大の勝利を決めた下村亮太朗(左)、慶大の主将でエースの藤原智也(中)、一矢を報いた早大の田中瑛大(右)。写真:スマッシュ編集部

春の早慶戦男子、慶大の勝利を決めた下村亮太朗(左)、慶大の主将でエースの藤原智也(中)、一矢を報いた早大の田中瑛大(右)。写真:スマッシュ編集部

 伝統の「早慶対抗庭球試合」(早慶戦)が、5月13日、14日、西東京市の早稲田大学東伏見三神記念テニスコートで行なわれた。早慶戦は春と秋の年2回開催され、今回で男子第195回・女子第109回を迎える。両大学の選手、応援部員、全関係者の意地と意地がぶつかり合う歴史ある戦いだ。

 男子はダブルス3本、シングルス6本の計9試合制で、春は5セットマッチで行なわれるとあって、とりわけ熱く盛り上がる。近年は早大が長く連勝してきたが、一昨年の秋に慶應義塾大学が24年ぶりに勝利するなど、ここ最近は実力差が縮まっている。特に今年は白石光、丹下将太ら早大の主力がごっそり抜け、慶大がどこまで迫るか注目された。

 予想通り今年の慶大は強かった。初日のダブルスで2勝1敗とリード。とりわけ第5セットまでもつれたD2を8-6で有本響/菅谷優作が取ったのが大きく、坂井利彰慶大監督は「あれがカギだった」と語る。

 2日目のシングルスは慶大がそれで勢いに乗る。S5の眞田将吾、S6の高木翼が連勝し4勝1敗として一気に王手。早大はS4の田中瑛大が1つ返すのが精いっぱいで、S3からS1までは慶大の下村亮太朗、菅谷優作、藤原智也が立て続けに勝利し、計7勝2敗で快勝した。
 
 坂井監督は勝因としてD2の白星と共に「今まで課題だったシングルスの下位がだいぶ力を付けてきた」ことを挙げる。「1年の時から悔しい思いを経験してきた選手も多く、その中でたくましくなり、プレッシャーに強くなってきた」。チーム層の厚さが、春の早慶戦としては26年ぶりの勝利を呼び込んだ。

 一方、早大の石井弥起監督は、去年の主力が抜けたことで「正直、今回はチャレンジする側という認識で臨んだ」と率直に語る。結果としては期待していた新戦力が星を落としたが、「課題が見つかり、鍛えていくところがわかった」と前向きに捉えていた。

 これで早慶戦の通算成績は慶大から見て85勝110敗。慶大がこれから逆襲モードに入るのか、大学王座17連覇中の早大が戦力を立て直してくるのか、秋の対戦を心待ちにしたい。

◆男子結果
早稲田大学[2-7]慶應義塾大学
D1:×永山寛基/森田皐介[1-6 4-6 3-6]藤原智也/林航平○
D2:×高畑里玖/山口柚希[1-6 6-4 6-3 3-6 6-8]有本響/菅谷優作○
D3:○田中瑛大/吉野郁哉[5-7 7-6(2) 6-4 6-3]下村亮太朗/高木翼×
S1:×高畑里玖[7-6(5) 3-6 2-6 2-6]藤原智也○
S2:×池田朋弥[2-6 6-0 6-3 2-6 3-6]菅谷優作○
S3:×森田皐介[4-6 2-6 4-6]下村亮太朗○
S4:○田中瑛大[6-4 6-7(6) 7-6(8) 7-6(2)]林航平×
S5:×永山寛基[2-6 4-6 5-7]眞田将吾○
S6:×山口柚希[7-6(5) 0-6 6-2 4-6 3-6]高木翼○

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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