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海外テニス

出場停止中の女子テニス元世界1位ハレップに“2つ目のドーピング違反”が判明!<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.05.20

出場停止の原因となった禁止薬物の使用とは別件の生体パスポート違反が発覚した元女王のハレップ。(C)Getty Images

出場停止の原因となった禁止薬物の使用とは別件の生体パスポート違反が発覚した元女王のハレップ。(C)Getty Images

 女子テニス元世界1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア)が窮地に立たされている。昨年10月に発覚したドーピング違反で現在は暫定的な出場停止処分を受けているが、さらに2つ目のドーピング違反が見つかったのである。

 プロテニス界全体のアンチ・ドーピングの管理運営を委託されている第三者機関『ITIA』は19日、「ルーマニアのテニスプレーヤー、シモナ・ハレップが、テニス・アンチ・ドーピング・プログラム違反のうち、競技者生体パスポートの不正に関連して告発されたことが確認された」と発表した。

 現在ハレップに科されている出場停止処分は、昨年8月の全米オープンで採取した検体から禁止薬物の「ロキサデュスタット」(血液増量剤)が検出されたことによるもの。

 だが、今回の違反はそれとは別の「競技者生体パスポート」に関する違反。競技者生体パスポートとは、世界アンチ・ドーピング機構が開発し、世界アンチ・ドーピング規程に基づくプログラムで、血液データを長期的に監視し、潜在的な違反を発見する方法である。

 競技者生体パスポートの不正発見は独立した専門家チームによるもの。ITIAの担当者ニコール・サップステッドは「今日の発表は、すでに注目されている状況に複雑さを加えるものであることは理解している。だから私たちはハレップ選手と親身に効率的に本件について関わることを約束する」とコメントを出した。
 
 身の潔白を訴えているハレップにとって思いもしなかった告発に対して、本人はすぐさま自身のインスタグラムを通じて以下のようなコメントを投稿。

「10月7日にITIAからドーピングの疑いで告発されて以来、私は人生で経験したことのない最悪の悪夢を生きてきた。私の名前は最悪の形で汚されただけでなく、私は違法薬物の摂取を考えたこともないのに、ITIAから理解できない理由で、私の罪を証明しようとする絶え間ない決意に直面している」と訴えた。

 ITIAの担当者は「私たちは、この問題に関して多くのメディアが注目していることを理解している。ゆえにプロセスの終了まで具体的なコメントをすることは不適切だが、私たちはスポーツの関する裁定を下す独立法廷とハレップ選手の代理人と、可能な限り迅速に関わりを持ち続けるつもりだ」としている。

 ハレップが出場停止を受けてすでに8カ月が経過し、事件前に9位だった世界ランキングも5月15日付で30位まで下がった。身の潔白を主張するハレップに浮上した新たな問題。かつてトロフィーを掲げた「全仏オープン」と「ウインブルドン」のコートに再び立てる日はいつになるのか。

構成●スマッシュ編集部

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