「今の若い人たちのテニスって、僕が育ってきたころと違う。もっとアグレッシブで、ハードヒッターが多い」
ダニエル太郎がそう言ったのは、2年前。2021年5月末の、全仏オープンの時だった。
パンデミック宣言により、5カ月間中断していたツアーが再開したのが、2020年8月。それから半年以上が経ったこの頃、ダニエルは、若手が大きく成長していたことに気が付いたという。
「以前は、若い選手が出てきてワイルドなミスをすると、『こいつら、まだまだだな』って思っていた。でも今の若手は、ハードヒットのまま、ミスが少なくなっている。やっぱり打ち続けているからこそ、ミスも少なくしていける。それは時の流れで、レベルが上がってくるのは当然。それを最近、やっと受け入れられるようになりました」
若手の急成長により肌身で感じた、テニスそのものの変質。その新世代の旗手こそが、2年前の2021年全仏オープン直前に対戦した、カルロス・アルカラスだった。
戦いの舞台は、ポルトガル開催のATPチャレンジャー。当時のランキングはダニエルが112位で、アルカラスは114位。スコアは2-6、7-5、2-6のフルセットで、勝利はアルカラス。
当時、既に“未来のトップ選手候補”と目されていた18歳を、ダニエルは次のように評していた。
「とてもアグレッシブで、少しでもボールが浅くなると、すぐに前に入って押してくる。タッチも良いし、フォアに回り込んだ時のプレッシャーがすごい。あそこまでのスピード感を出してくる選手は、トップでもなかなかいない。トップ選手よりボールを早くとらえているし、サービスも去年より良くなっている」
まだ粗さはあるものの、ネットを挟んで対峙した時に覚える重圧は、既にトップ選手以上だった。
その初対戦から、2年――。全仏オープン2回戦の舞台で、ダニエル太郎は、世界1位に君臨するアルカラスに挑む。
思えば2年前のクレーコートシーズンは、ダニエルが、プレースタイルを大きく変える契機になった季節でもある。
ダニエル太郎がそう言ったのは、2年前。2021年5月末の、全仏オープンの時だった。
パンデミック宣言により、5カ月間中断していたツアーが再開したのが、2020年8月。それから半年以上が経ったこの頃、ダニエルは、若手が大きく成長していたことに気が付いたという。
「以前は、若い選手が出てきてワイルドなミスをすると、『こいつら、まだまだだな』って思っていた。でも今の若手は、ハードヒットのまま、ミスが少なくなっている。やっぱり打ち続けているからこそ、ミスも少なくしていける。それは時の流れで、レベルが上がってくるのは当然。それを最近、やっと受け入れられるようになりました」
若手の急成長により肌身で感じた、テニスそのものの変質。その新世代の旗手こそが、2年前の2021年全仏オープン直前に対戦した、カルロス・アルカラスだった。
戦いの舞台は、ポルトガル開催のATPチャレンジャー。当時のランキングはダニエルが112位で、アルカラスは114位。スコアは2-6、7-5、2-6のフルセットで、勝利はアルカラス。
当時、既に“未来のトップ選手候補”と目されていた18歳を、ダニエルは次のように評していた。
「とてもアグレッシブで、少しでもボールが浅くなると、すぐに前に入って押してくる。タッチも良いし、フォアに回り込んだ時のプレッシャーがすごい。あそこまでのスピード感を出してくる選手は、トップでもなかなかいない。トップ選手よりボールを早くとらえているし、サービスも去年より良くなっている」
まだ粗さはあるものの、ネットを挟んで対峙した時に覚える重圧は、既にトップ選手以上だった。
その初対戦から、2年――。全仏オープン2回戦の舞台で、ダニエル太郎は、世界1位に君臨するアルカラスに挑む。
思えば2年前のクレーコートシーズンは、ダニエルが、プレースタイルを大きく変える契機になった季節でもある。