車いすテニス期待のホープ、17歳の小田凱人（おだときと／東海理化／世界２位）が６月２日、東京都内で全仏オープンへの意気込みと世界ランキング１位に迫る現在の心境を語った。

　小田のグランドスラム（四大大会）デビューは昨年の全仏オープンだった。当時は「グランドスラムの価値をあまり理解していなかった」が、経験値を積みテニスの成長も感じている中で「今回こそはという思いがあるので、ある意味楽しみですしプレッシャーもありますけど、グランドスラムへの思いは去年とは全く別物だと思います」と明かす。

　今回の全仏オープンでは、最年少グランドスラム優勝と最年少世界ランキング１位がかかっており、「シチュエーションは完璧だと思うので、これだけ期待がかかったところでどういうプレーができるかっていうのは、自分への期待値も高いし、楽しみな部分がありますし、まずは決勝戦までは必ず残るっていうことを意識してやっていきたいですね」と意欲を見せる。
  　技術面ではチェアワークの強化に取り組み、イメージトレーニングも毎日欠かさず、「暇があれば優勝する瞬間を想像」していたという小田。また、国枝慎吾さんに自ら練習をお願いし、記憶に残るアドバイスをもらったことが自信になったようだ。

　また、グランドスラムでは「ジョコビッチやアルカラスたちと同じ舞台、同じコートでプレーできるのでめちゃめちゃモチベーションが上がる」し、名前の由来が凱旋門であることから「自分の中でも特別な思い入れがあるので、その分そこで勝ったら喜びは倍以上になる気がしますね」と、笑顔を見せた。

　全仏オープン車いす部門は６月６日～10日に行なわれる。得意のクレーコートでどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみだ。そして「テニスの完成度はまだまだなので、もし１位になっても理想のテニスは追い求めていく」という、向上心が高い小田のさらなる成長に期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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