海外テニス

「悪役を敗退させた」豪メディアが非難殺到の渦中ペアを破った自国選手を称賛。加藤未唯の全仏失格問題に絡み「人々のために!!」とツイートも

THE DIGEST編集部

2023.06.08

混合ダブルスでは決勝進出を決めた加藤。騒動の余波は未だ収まらず。(C) Getty Images

 テニスの全仏オープンで起きた騒動の波紋がいまだに広がっている。

 現地6月4日の女子ダブルス3回戦で、加藤未唯/アルディラ・スチアディ組(日本/インドネシア)が失格処分となった。試合中に加藤がコート外に向けて緩やかに打ち返した球が、ボールガールに直撃。ショックを受けたボールガールの様子から、レフェリー判断で加藤組に失格処分が言い渡されたのだ。これを受けて、審判を煽り加藤組の失格を促すようなスポーツマンシップに欠けた言動をしたとされる対戦相手のマリエ・ボウズコワ/サラ・ソリベストルモ(チェコ/スペイン)は、激しい非難の的となっている。

 そんななか、現地6日の女子ダブルス準々決勝において、ニコール・メリチャー/エレン・ペレス組(米国/豪州)がボウズコワ/ソリベストルモ組に7-5、6-3で勝利。渦中のペアを破り、準決勝進出を決めた。
 
 この勝利をペレスの母国オーストラリアのニュースサイト『news.com.au』は「エレン・ペレスがダブルスの悪役を全仏オープンから敗退させる」との見出しを掲げて報道。「オーストラリアのエレン・ペレスが、今週テニスの騒動を巻き起こしたペアを破り女子ダブルスの準決勝に進出した」と伝えると、対戦相手の二人に対しては、「3回戦の対戦相手にグランドスラムからの欠場を求めるロビー活動を行なった後、テニス界の悪役となった」と率直な表現で置かれている立場を示した。

 さらに同メディアは「ペレスはこの議論についてよく知っており、結果を伝えたツイートに対して、『人々のために!!!』と絵文字付きで返信した」とも報じ、ペレスが多くのテニス関係者の願いに応える形で勝利を掴んだとツイートしたことも紹介している。

 一方無念の失格処分となった加藤は、ティム・プッツ(ドイツ)と組んだ混合ダブルスでは現地6月7日の準決勝において、女子ダブルスでコンビを組んだスチアディのペアと戦い、7-6、6-0のストレート勝ちを収めて決勝進出を決めた。加藤とスチアディは試合後、ハグで互いの健闘を称え合っている。

構成●THE DIGEST編集部
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