男子車いすテニスで全仏オープン初制覇を飾り、史上最年少のグランドスラム優勝と世界ランク1位を達成した小田凱人(17歳/東海理化)が、6月20日に東京都内で帰国会見を実施。全仏オープンでのプレーを振り返り、現在の心境、そして今後の目標について語った。
第2シードとして全仏オープンに臨んだ小田(当時世界2位)は、決勝で第1シードのアルフィー・ヒューエット(イギリス/同1位)と対戦。試合序盤からポイントを取るたびに声を出して気合いを入れていた日本の新星は、終始攻めの姿勢を貫き、6-1、6-4のストレートで勝利。見事世界の頂点に立った。
まず会見では、マッチポイントを握った瞬間の心境について、「他の大会だったり、ポイントでは感じられないくらい手が震えていたし、心臓が飛び出るんじゃないかってくらいの緊張した感覚はすごく覚えている」と回顧。そして優勝後には、「すぐにでもウインブルドンのタイトルを取りたいという気持ちになった。(四大大会の優勝を)何度も経験したい、より多く達成したいという気持ちが大きい」と次の大会に向けて意欲を示した。
憧れの国枝慎吾さんからは、激励の言葉があったという。大会前にアドバイスをもらっていた小田は、「(助言を)実際に生かすことができた。『良かった』と褒めてくれたので本当にうれしかった」と笑みを浮かべ、「ずっと追いかけてきた国枝選手が引退されて、世界1位の座がヒューエット選手に渡って、それをすぐに僕が取り返すというか、日本人が常に1位になっていくというモチベーションではあった」と次世代としての使命感を口にした。
また、全仏前に「優勝して世界一になることが子どもたちのヒーローになることにつながる」と語っていた小田。「結果を出すことは選手として求められる部分なので、今回はしっかりと達成できた。目標や夢は常に口に出さないと寄ってこない。言ったからにはやらないといけない」としたうえで、「今まで病気と闘う子や入院中の子どもたちに言ってきたが、障害があるなしにかかわらず、憧れるような選手になっていきたい」とも話している。
今後のビジョンについては、「まずは次のウインブルドンをしっかり取るということが目標。パラリンピックは4年に1度の貴重な舞台で、僕の中では一番意識している。グランドスラムは年に4回あるので数多くチャンスがある。モチベーションとしてはどこまで行けるか、というのがすごく楽しみ」と語った。
日本では“国枝の後継者”、海外では“ネクスト慎吾”と表現される小田。しかし、本人は常に「小田凱人なんだ」という自負がある。これからの車いすテニス界、そして自ら新しい道を作っていく小田の活躍に期待したい。
取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)
【PHOTO】小田凱人はじめ全仏オープン2023で奮闘する男子選手たちの厳選写真!
第2シードとして全仏オープンに臨んだ小田(当時世界2位)は、決勝で第1シードのアルフィー・ヒューエット(イギリス/同1位)と対戦。試合序盤からポイントを取るたびに声を出して気合いを入れていた日本の新星は、終始攻めの姿勢を貫き、6-1、6-4のストレートで勝利。見事世界の頂点に立った。
まず会見では、マッチポイントを握った瞬間の心境について、「他の大会だったり、ポイントでは感じられないくらい手が震えていたし、心臓が飛び出るんじゃないかってくらいの緊張した感覚はすごく覚えている」と回顧。そして優勝後には、「すぐにでもウインブルドンのタイトルを取りたいという気持ちになった。(四大大会の優勝を)何度も経験したい、より多く達成したいという気持ちが大きい」と次の大会に向けて意欲を示した。
憧れの国枝慎吾さんからは、激励の言葉があったという。大会前にアドバイスをもらっていた小田は、「(助言を)実際に生かすことができた。『良かった』と褒めてくれたので本当にうれしかった」と笑みを浮かべ、「ずっと追いかけてきた国枝選手が引退されて、世界1位の座がヒューエット選手に渡って、それをすぐに僕が取り返すというか、日本人が常に1位になっていくというモチベーションではあった」と次世代としての使命感を口にした。
また、全仏前に「優勝して世界一になることが子どもたちのヒーローになることにつながる」と語っていた小田。「結果を出すことは選手として求められる部分なので、今回はしっかりと達成できた。目標や夢は常に口に出さないと寄ってこない。言ったからにはやらないといけない」としたうえで、「今まで病気と闘う子や入院中の子どもたちに言ってきたが、障害があるなしにかかわらず、憧れるような選手になっていきたい」とも話している。
今後のビジョンについては、「まずは次のウインブルドンをしっかり取るということが目標。パラリンピックは4年に1度の貴重な舞台で、僕の中では一番意識している。グランドスラムは年に4回あるので数多くチャンスがある。モチベーションとしてはどこまで行けるか、というのがすごく楽しみ」と語った。
日本では“国枝の後継者”、海外では“ネクスト慎吾”と表現される小田。しかし、本人は常に「小田凱人なんだ」という自負がある。これからの車いすテニス界、そして自ら新しい道を作っていく小田の活躍に期待したい。
取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)
【PHOTO】小田凱人はじめ全仏オープン2023で奮闘する男子選手たちの厳選写真!