テニス四大大会「全仏オープン」は現地６月10日に大会14日目を迎え、車いすテニスの男子シングルス決勝が行なわれた。第２シードの17歳、小田凱人（世界ランク２位）は第１シードのアルフィー・ヒューエット（イギリス／世界ランク１位）に挑戦。６－１、６－４のストレートで勝利し、史上最年少でのグランドスラム(四大大会）初優勝を飾った。

　昨年の全仏オープンでグランドスラムデビューを果たし、今年の全豪オープンでは準優勝を飾っている小田。今大会前には、「１年でかなりの試合数をこなしてきた。特にクレーコートだと、経験という面では去年のこの大会より明らかに違う、経験値というものを得られていると思います」と手応えを口にしていた。

　今回の対戦相手となったヒューエットには、今年の全豪決勝でもストレート負けを喫している。ただ、「感覚的にはすごく良いです。試合に向けてかなり良い準備はできています。準備に関しては色々な面で順調にきていると思うので、あとは試合で生かせるかどうかというところですね」と自信を深めている小田は、今大会も順調な勝ち上がりで決勝に駒を進めてきた。
  　まず試合序盤は、立ち上がりからポイントを取るごとに声を出す小田が、ラリー戦の主導権を握る。スピンの効いた強打を軸にドロップショットも効果的に使い、第４、第６ゲームでブレ―クに成功。第１セットは、ヒューエットにわずか１ゲームしか与えず26分で先取する。

　第２セットに入ると、それまでとは打って変わり拮抗した展開に。ヒューエットがリターンエースを量産し、ブレークし合う流れになったが、小田は５－４でサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを迎えると、ヒューエットのリターンがアウトになりゲームセット。悲願のグランドスラム初タイトルを手にした。

　表彰式では日本のファンに向けて、「皆さん今日はありがとうございました。テレビの前で皆さんが見てくれていると思うので、これをきっかけに車いすテニスを始めて見た方は、これからも応援してほしいです」と感謝のコメント。今後に向けては、次のようなメッセージも送った。

「これから僕がもっともっと（車いすテニスを）盛り上げて、さらに大きいスポーツにしていきます。これからも熱き選手たちと何度も戦うと思うので、そのバトルをぜひ見てほしいです」

　堂々とした戦いぶりで全仏の頂点に立った小田。大会後には、史上最年少の世界ランキング１位になることが決まっている。

構成●スマッシュ編集部

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