各地の予選を勝ち抜いてきた小学生プレーヤーが頂点を目指す大会「第41回第一生命全国小学生テニス選手権大会」（８月２日～３日／武蔵野ローンテニスクラブ、４日～６日／ 第一生命相娯園テニスコート／クレーコート）は、大会最終日となる６日に男女シングルス決勝と３位決定戦を実施。男子決勝では、中島一輝（神奈川・根岸小）が久野佑隼（東京・玉川小）に６－３、５－７、６－４のフルセットの末に競り勝ちタイトルを手にした。

　決勝に臨んだ中島は「一度も勝ったことがない」という久野を相手に第１セットの立ち上がりから３ゲームを連取される苦しいスタート。だが、「攻め急いでいるからミスが多くなっている」と冷静に状況を分析し、「焦らずゆっくり攻めることを意識した」ことで徐々に自分のリズムを取り戻し、第４ゲームから一気に６ゲームを連取して第１セットをものにする。

　第２セットに入ると「できるだけミスをしないように」と同様に戦術を切り換えてきた久野の丁寧な展開の前に、逆に攻め急ぐ中島が競り合う場面でミスを重ねて形勢逆転。５－７でセットを失い勝負はファイナルへともつれ込む。
  「焦りはありました。そのためファイナル（セット）でも詰めの部分でミスが増えちゃいました」という中島。成長痛の影響で十分なトレーニングができていないこともあり、試合が長引くと体力が落ちるというが、「この試合が最後だから力を出し切ろう」と気合を入れると、リターンやサービスの確率も徐々にアップ。０－４の劣勢から６ゲームを奪い返すという第１セット同様の逆転劇を演じ、勝利を引き寄せた。

「去年は１回戦で負けちゃったから、今日は優勝できてうれしい」。表彰式のチャンピオンスピーチで中島は、そう言って満足そうな笑みを浮かべた。

　なお、トップシード同士の対決となった３位決定戦は、第１シードの山崎あさひ（埼玉・川柳小）と第２シードの安居院虹斗（滋賀・青山小）が対戦。今年５月の全国選抜ジュニア決勝と同じカードとなった注目の一番は山崎が６－４、６－４で勝利した。ただ敗れた安居院はまだ５年生ということもあり来年に向けて大きな可能性を示した。

■男子シングルス結果
【決勝】
中島一輝⑥（神奈川・根岸小学校６年）〇 6-3 5-7 6-4 ●久野佑隼⑤（東京・玉川小学校６年）
【３位決定戦】
山崎あさひ①（埼玉・川柳小学校６年）〇 6-4 6-4 ●安居院虹斗②（滋賀・青山小学校５年）
※名前の後の丸数字はシード

取材・文●小松崎弘（スマッシュ編集部）

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