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海外テニス

元世界3位のデルポトロ、熱望していた全米での引退試合を断念…「ヒザの痛みでカムバックに集中できない」<SMASH>

中村光佑

2023.08.17

特別な思いのある全米オープンでキャリアの幕引きをしたいと、全力でヒザの治療に取り組んだデルポトロだが、その思いは叶わなかった。(C)Getty Images

特別な思いのある全米オープンでキャリアの幕引きをしたいと、全力でヒザの治療に取り組んだデルポトロだが、その思いは叶わなかった。(C)Getty Images

 日常生活に支障が出るほど深刻化してしまった右ヒザのケガを理由として、昨年2月の「アルゼンチン・オープン」(ATP250)を最後に現役引退を示唆していた男子テニス元世界ランク3位のホアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン/34歳)。だが今年3月末には待望のツアー復帰と「全米オープン」(8月28日~9月10日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)への出場へ向けて再スタートを切ったと報じられていた。

 デルポトロと言えば昨年9月に全米の観戦に訪れた際に応じた欧米メディア『ESPN』のインタビューで「またプレーをしたい。全米の大会主催側からここでお別れをすることを提案されている」と発言したことが大きな話題となった。一方でコンスタントにトーナメントでプレーし続けるのは難しいとも感じているのか、今年の全米をキャリア最後の大会にするかもしれないとほのめかしていた。

 半年ほど前にも「少なくとも今年の全米オープンまでは、戦線復帰の可能性を残しておくつもりだ。全米は僕にとって(思い出のある)特別な大会だからね」と語っていたデルポトロ。今年に入ってからは一部メディアでヒッティング練習を行なう姿も公開されたことで、多くのファンから“不屈の男”の完全復活に期待が寄せられていた。
 
 だが現実は厳しかった。現地時間8月16日に更新した自身のX(旧ツイッター)では、度重なる手術を施してきたヒザの痛みがまだ改善していないとして全米出場が不可能となった旨を報告。以下のようなコメントを綴っている。

「全米オープンのような特別なコートに戻りたいという願望は私を興奮させました。それを実現しようとあらゆる手を尽くしましたが、私の身体は、自分が100%の状態に戻ったと感じるまでにはなりませんでした。ご存知の通り、私は今抱えているヒザの痛みにより、カムバックに集中することができません。再び生活の質を向上させるための最善の選択肢を探し続けるつもりです」

 何としても思い出の全米でプレーしたいと話していただけに、デルポトロの無念さは計り知れない。それでもファンとしては近いうちに“不屈の男”が公式戦のコートに立つ姿を見たいと熱望してやまない。1日も早くヒザのケガを克服するための治療法が見つかることを祈るばかりである。

文●中村光佑

【PHOTO】全米OP優勝、リオ五輪銀メダル獲得など輝かしい功績を残したデルポトロのキャリアを厳選ショットで紹介!
 

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