男子テニス元世界ランク1位のアンディ・マリー(イギリス/現41位/36歳)が英公共放送『BBC』のインタビューに登場。先日の全米オープンで前人未到の四大大会24勝目を飾ったノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位)の勢いを止められずにいる若手たちに奮起を促した。
長年テニス界を牽引してきたビッグ4(フェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マリー)の時代も終わりを迎えようしている。フェデラーは昨年9月に栄光のキャリアに別れを告げ、ナダルは度重なる故障によりツアー離脱。深刻な臀部のケガから復活を遂げたマリーもトップ50までランキングを回復させたとはいえ、以前の強さが完全に戻っているわけではない。
そんな中でひと際異彩を放つのがジョコビッチだ。“精密機械”と称される安定感抜群のストロークを武器に持つ彼は、今季も4つの四大大会のうち3大会(全豪・全仏・全米)を制覇。7月のウインブルドンは決勝で20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/現2位)に僅差で競り負けたものの、36歳にして今なお衰え知らずの強さを誇っている。
ジョコビッチと過去36度対戦して11度の勝利を挙げているマリーは、未だに素晴らしいパフォーマンスを見せ続ける同い年の良きライバルを大いに称賛。一方で現状を見る限りでは、若手のトップ選手たちがジョコビッチに代わってテニス界を席巻する様子がまだ想像できないと厳しい意見を述べた。
「ノバク(ジョコビッチ)を押しのけ、彼を追い越せるかどうかは若い選手たち次第だ。だが、それがすぐに実現するとは思えない。ロジャー(フェデラー)やラファ(ナダル)と同様に、その選手寿命の長さと、彼らがどれだけ長い間すごい選手であり続けてきたかがポイントだ。その中でノバクの選手寿命の長さは抜きんでており、彼はトップレベルで長い間プレーしている」
さらにマリーは唯一アルカラスには大きな期待を寄せていると明かす一方、ジョコビッチの域に到達できるかはわからないと率直にコメント。その間にもジョコビッチはさらなる高みへ上り詰めるのではないかと語った。
「彼が四大大会24勝で終わるとは思わないが、それがいつまで続くかはわからない。 フィジカル面、モチベーション、あとはアルカラスのような選手が成長するかどうかにもかかっている。アルカラスは素晴らしい選手だが、ノバクのように1年間継続的にあれだけのことをやれるかというと、また別の話だ。彼はすぐにでもそのレベルに達するだろうと思う反面、今回の全米がノバクの最後のグランドスラム優勝になるとは思わない」
心身ともにフレッシュなはずの若手たちが、大ベテランのジョコビッチに引けを取り続ける現状は確かに考えものである。マリーの言葉が彼らの起爆剤になることを期待したい。
文●中村光佑
【全米オープン2023 PHOTO】四大大会通算24回目の優勝を果たしたジョコビッチの厳選フォト!!
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そんな中でひと際異彩を放つのがジョコビッチだ。“精密機械”と称される安定感抜群のストロークを武器に持つ彼は、今季も4つの四大大会のうち3大会(全豪・全仏・全米)を制覇。7月のウインブルドンは決勝で20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/現2位)に僅差で競り負けたものの、36歳にして今なお衰え知らずの強さを誇っている。
ジョコビッチと過去36度対戦して11度の勝利を挙げているマリーは、未だに素晴らしいパフォーマンスを見せ続ける同い年の良きライバルを大いに称賛。一方で現状を見る限りでは、若手のトップ選手たちがジョコビッチに代わってテニス界を席巻する様子がまだ想像できないと厳しい意見を述べた。
「ノバク(ジョコビッチ)を押しのけ、彼を追い越せるかどうかは若い選手たち次第だ。だが、それがすぐに実現するとは思えない。ロジャー(フェデラー)やラファ(ナダル)と同様に、その選手寿命の長さと、彼らがどれだけ長い間すごい選手であり続けてきたかがポイントだ。その中でノバクの選手寿命の長さは抜きんでており、彼はトップレベルで長い間プレーしている」
さらにマリーは唯一アルカラスには大きな期待を寄せていると明かす一方、ジョコビッチの域に到達できるかはわからないと率直にコメント。その間にもジョコビッチはさらなる高みへ上り詰めるのではないかと語った。
「彼が四大大会24勝で終わるとは思わないが、それがいつまで続くかはわからない。 フィジカル面、モチベーション、あとはアルカラスのような選手が成長するかどうかにもかかっている。アルカラスは素晴らしい選手だが、ノバクのように1年間継続的にあれだけのことをやれるかというと、また別の話だ。彼はすぐにでもそのレベルに達するだろうと思う反面、今回の全米がノバクの最後のグランドスラム優勝になるとは思わない」
心身ともにフレッシュなはずの若手たちが、大ベテランのジョコビッチに引けを取り続ける現状は確かに考えものである。マリーの言葉が彼らの起爆剤になることを期待したい。
文●中村光佑
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