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ドーピングによる4年間の資格停止処分にハレップが猛反論!「明らかな証拠はなく、正気の沙汰ではない」<SMASH>

中村光佑

2023.09.19

2026年10月までの出場停止処分が下った元世界1位のハレップ。判定に不服を示し、CASへ提訴する構えだ。(C)Getty Images

 先日、テニスの不正行為を監視する第三者機関「ITIA」から2件のドーピング違反を理由に、4年間の資格停止処分を科された女子テニス元世界ランク1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア/31歳)。これまで一貫して無実を主張してきた彼女は今回の決定にも不満を隠せない様子だ。

 現地9月18日にアメリカのスポーツメディア『Front Office Sport』のインタビューに回答したハレップは、再び「意図的に禁止薬物を摂取したことはない」と主張。「資格停止処分の決定には明確な根拠がない」としたうえでこう続けた。

「意味不明で不公平なことがたくさんあったので、先日の公聴会の後は(私の無実が証明されるだろうという)自信があった。資格停止の決定を知った時、私は完全にショックを受けた。サプリメントに禁止物質が混入していたことが判明し、私の血液も完全に正常だったのに、彼らが私に4年間の資格停止処分を下したことが信じられなかった」
 
「彼らは私の血液から何も悪いものを見つけられなかった。彼らが(彼女の法務チームが提示した)全てを考慮してこの決定を下したというのは狂っている。要するに彼らは何らかのシナリオに基づいて判断を下した。明らかな証拠はなく、正気の沙汰ではない」

 また『Front Office Sport』によれば、ハレップのドーピング検査で検出された禁止物質「ロキサデュスタット」については欧州医薬品庁により「甲状腺の働きを低下させる可能性がある」との報告がなされているという。

 これを踏まえたうえで、かねてから甲状腺の問題を抱えていたというハレップは改めて「ロキサデュスタットが入った薬を飲んでいたら私に悪影響を及ぼしていただろうから、そんなものを故意に摂取することはなかった」と強調。「そんなのを摂取する意味はなかった。むしろその禁止物質は私には不利に働くと思う。役には立たない」と締めくくった。

 なお既報の通りハレップは今回の処分を受けて「スポーツ仲裁裁判所に訴える」と控訴の意思を表明している。現状では制限緩和の可能性がどれほどあるかは不明だが、今後の動向に注目が集まる。

文●中村光佑

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