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国内テニス

「本物」を見せる価値と重要性。西岡、沼尻、斉藤、3人のプロが自ら企画する地域活性化イベントがもたらす可能性とは?

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2019.12.16

地域活性化プロジェクトを企画・実行している西岡、斉藤、沼尻(左から)。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

地域活性化プロジェクトを企画・実行している西岡、斉藤、沼尻(左から)。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 石川県金沢駅から電車で10分ほどの津幡駅。そこからのどかな風景を見ながら、車で10分ほど行くと、津幡町運動公園体育館がある。12月14日㈯、15日㈰の2日間、その体育館は熱気に包まれていた。西岡良仁、斉藤貴史、沼尻啓介の同期3人組が、3年前から取り組んでいる『地域活性化プロジェクト』のイベントを開催したのだ。

 2日間で行なったレッスンに参加した人数は164名。みんな生き生きとした表情で取り組んでいた。

 球出しのボールを打つ時は、プロが近くで見て、個別にアドバイスをしてくれる。「構える時ラケットはもっと高くしよう」「ボレーは低いところで取るともったいない。自分から前に行って高い場所で取りましょう」など、的確にわかりやすく教えてくれるのだ。

 参加した保志場美空さんは、「ボレーでは引きすぎない」などのアドバイスをもらい、「基本的なことから、強くなるためにどこを直していけばいいのかわかったし、試合でも生かせると思う」と、喜んでいた。
 
 プロとのラリーでは、「ボールの跳ね方が違った」「ボールは重くて伸びがあった」など、参加者はプロのすごさを肌で感じられた様子。また、プロの本気のサービスを受ける機会もあり、時速200キロ級の速いサービスに驚いたり、西岡の左利きのサービスが予想以上に切れていき、ボールに触ることもできない体験もできた。

 最後にプロとのポイント勝負をした、石川県ジュニア1位の吉田悠真くんは、「1つひとつのボールに対しての打ち方の意識が変わりました。プロとプレーできる機会はないので、学べることが多かったです」と、この経験を生かして、次は北信越地区での勝利を誓っていた。

 津幡町で育った斉藤は、このイベントを実施できたことについて、「僕はここで育っているので僕がここに来るのは当たり前ですが、西岡と沼尻がここに来てテニスをしているというのは、本来なら実現しないことなので、自分の地元に彼らが来てくれ、ともにテニスをする機会を作れたことは、うれしいです」と充実感をにじませる。
 

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