現在開催中の女子テニスツアー「中国オープン」（９月30日～10月８日／中国・北京／WTA1000）で２回戦進出を決めた世界ランク３位のココ・ガウフ（アメリカ）が、現地10月２日に行なわれた１回戦勝利後の記者会見に登場。そのなかで日々自身に寄せられるソーシャルメディアでの辛辣な声も「自分のインスピレーションの源になっている」と語った。

　近年はSNS上での選手に対する誹謗中傷が大きな問題となっているテニス界。そんな中、先月の全米オープンで四大大会初優勝を達成するなど素晴らしい活躍を続けているガウフは「自分への厳しい声が飛び交うこと」もトップ選手の宿命だと考えており、「むしろそういう声をモチベーションに変えている」と語る。

　ちなみにガウフは、全米決勝を制した直後の会見でもSNSとの向き合い方について「私を嫌う人たちは私の（心の）火に水を注いでそれを消そうとしているわけではなく、私に力を与えようとしてくれている」と19歳とは思えないポジティブな考えを口にしていたのだが、この言葉は先日WNBA（米女子プロバスケットボールリーグ）で自身２度目となるMVPを受賞した同郷のブリアナ・スチュワート（現29歳）をはじめ、多くのアスリートの共感を呼んだ。
  「普段はインスタグラムや、X（旧ツイッター）にあまり時間を費やすことはない」というガウフだが、幾多の批判の声をも前向きに捉えているのは事実だと明かす。今回の会見では「厳しいコメントを読んでそれをやる気の源にすることを他の人に勧めようとは思わない」としつつも、「（SNSで）自分に関するコメントを読むのは良いことだと思う。なぜならそれによってモチベーションが上がり、より頑張れる。（とりわけ）自分に対する否定的なコメントを見ると逆に刺激を受ける」と発言。

「テニスに関する投稿をよく見るから、そういった批判的なコメントに遭遇するのは必然であって、タイムラインに表示される」と続けたガウフは「むしろ自分を悪く言う人たちを見返したい」という気持ちで今後もプレーを続けるつもりだと締めくくった。

「私はとても頑固だから、そういった辛辣な声を利用しながら、いつか私を信頼していない人たちに対して、自分に何ができるかを示すつもりでいる。時にはSNSで寄せられるコメントに返事をしたくなることもあるけど、それに関してはチームからやめなさいと言われているから、ラケットと共にコート上で答えるようにしているわ」

　この驚異的なメンタルの強さがガウフの活躍を支えているのは間違いないだろう。まだまだ若い彼女のさらなる進化を期待したい。

文●中村光佑

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