間もなく開幕する男子テニスツアー「ロレックス・パリ・マスターズ」(10月30日~11月5日/フランス・パリ/インドアハードコート/ATP1000)で約1カ月半ぶりに実戦に復帰する世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、現地10月28日に行なわれた大会開幕前の記者会見に登場。大会使用球に関して多くの選手から批判の声が上がっていることを受け、「ボールには一貫性が必要だと思う」と私見を述べた。
ここ最近は大会ごとに異なるボールを使用していることによる選手の故障が増加傾向にある。元世界10位のパブロ・カレノブスタ(スペイン/現253位)は今季序盤からヒジのケガに悩まされており、先日には母国のテニスメディア『Punto de Break』の独占インタビューで「ツアーでの使用球が統一されていないことと僕のヒジのケガには関連性があるのではないか」と不満を漏らしていた。
また今月初めにはチャレンジャーを主戦場とする世界335位のガスタオ・エリアス(ポルトガル/32歳)が自身のX(@GastaoElias)で、「僕は何年もツアーに参加しているが、ボールが度々変わるという状況に直面したことは一度もない。これは非人道的行為だ」とATP(男子プロテニス協会)に対する批判の言葉を投稿。
さらに10月27日には元世界3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現45位)も自身のインスタグラム(@stanwawrinka85)のストーリーズで、4つのメーカーのボールの写真を添え「4週間で4つの異なるボール…大会側はいつになったら選手たちの声に耳を傾けるのか」とATPを糾弾していた。
こうした状況を受け、今年で節目のプロ20年目を迎えたレジェンドもついに声を上げた。今回の会見で「ボールの件については何人かの選手がコメントしているのを見た」と切り出したジョコビッチは「ボールの統一を実現するには多くの要因が関係しており、製造メーカーやトーナメントの事情を考慮する必要がある」と前置きしつつ、次のように意見を口にした。
「ボールの品質は相対的なもので、各選手がどのボールを好むかは、自分のプレースタイルやサーフェスなどに応じて決まる。今日一緒に練習をしたコルダ(アメリカ/23位)は、5週間で5つの異なるボールを使っていると言っていた。それが問題なのであり、僕たちはそのことに対して苦情を言っている。手首やヒジ、肩のケガの問題を避けるためには、もう少しボールに統一性が必要だと思う」
「例えば全仏オープンの開幕までに行なわれるツアーでは全て同じボールを使うと、一貫性が出るから状況は良くなるだろう。そういう流れになることを願っている。選手としては、ただ単にケガを防ぎたいだけだ」
ジョコビッチが聞いたところによると「ATPは近々いくつかの会議を開き、そこで使用球について何ができるのか、様々なオプションを検討する予定になっている」という。ひとまずは今後の動向に注目していきたい。
文●中村光佑
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ここ最近は大会ごとに異なるボールを使用していることによる選手の故障が増加傾向にある。元世界10位のパブロ・カレノブスタ(スペイン/現253位)は今季序盤からヒジのケガに悩まされており、先日には母国のテニスメディア『Punto de Break』の独占インタビューで「ツアーでの使用球が統一されていないことと僕のヒジのケガには関連性があるのではないか」と不満を漏らしていた。
また今月初めにはチャレンジャーを主戦場とする世界335位のガスタオ・エリアス(ポルトガル/32歳)が自身のX(@GastaoElias)で、「僕は何年もツアーに参加しているが、ボールが度々変わるという状況に直面したことは一度もない。これは非人道的行為だ」とATP(男子プロテニス協会)に対する批判の言葉を投稿。
さらに10月27日には元世界3位のスタン・ワウリンカ(スイス/現45位)も自身のインスタグラム(@stanwawrinka85)のストーリーズで、4つのメーカーのボールの写真を添え「4週間で4つの異なるボール…大会側はいつになったら選手たちの声に耳を傾けるのか」とATPを糾弾していた。
こうした状況を受け、今年で節目のプロ20年目を迎えたレジェンドもついに声を上げた。今回の会見で「ボールの件については何人かの選手がコメントしているのを見た」と切り出したジョコビッチは「ボールの統一を実現するには多くの要因が関係しており、製造メーカーやトーナメントの事情を考慮する必要がある」と前置きしつつ、次のように意見を口にした。
「ボールの品質は相対的なもので、各選手がどのボールを好むかは、自分のプレースタイルやサーフェスなどに応じて決まる。今日一緒に練習をしたコルダ(アメリカ/23位)は、5週間で5つの異なるボールを使っていると言っていた。それが問題なのであり、僕たちはそのことに対して苦情を言っている。手首やヒジ、肩のケガの問題を避けるためには、もう少しボールに統一性が必要だと思う」
「例えば全仏オープンの開幕までに行なわれるツアーでは全て同じボールを使うと、一貫性が出るから状況は良くなるだろう。そういう流れになることを願っている。選手としては、ただ単にケガを防ぎたいだけだ」
ジョコビッチが聞いたところによると「ATPは近々いくつかの会議を開き、そこで使用球について何ができるのか、様々なオプションを検討する予定になっている」という。ひとまずは今後の動向に注目していきたい。
文●中村光佑
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