女子テニス元世界ランク3位のエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/現25位)がイギリスのニュースメディア『Daily Mail』のインタビューに登場。その中で先週行なわれたシーズン最終戦「GNPセグロスWTAファイナルズ・カンクン」(10月29日~11月5日/メキシコ・カンクン/ハードコート/FIN)のコートコンディションに多くの出場選手から不満の声が上がったことについて言及し、「私たちのスポーツにとってひどいこと」と批判の言葉を口にした。
今年のファイナルズは終始大きな混乱に見舞われた。開幕直前の段階でコートは未完成、何とか完成したコートも整備が行き届いておらず、出場選手の間で怒りの声が続出。準決勝で敗れたアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/大会時1位/現2位)は「コートはバウンドが非常に低くて革みたいな感じ」と不平をこぼした。
グループリーグで敗退したマルケタ・ボンドルソワ(チェコ/大会時6位/現7位)も「スタジアムは試合の準備が全くできていない。組織の人間はあのコートでプレーする私たちがどう感じるかということにはほぼ関心がないように感じる」とWTA(女子テニス協会)を糾弾した。
現状女子のファイナルズは2019~28年の10年間にわたって中国・深圳が開催権を確保しているが、21年大会は新型コロナウイルスの感染拡大を理由にメキシコ・グアダラハラで実施。さらに昨年大会もダブルスの元世界女王ペン・シューアイ(中国/37歳)の性的暴行告発に端を発する騒動により、深圳から米テキサス州フォートワースに開催地を変更した。
WTAは今年4月に「(21年から停止していた)中国国内でのツアー大会を9月から再開する」と発表したにもかかわらず、今年のファイナルズも開幕2カ月前の段階で日程を含めた開催概要は公表されず。会場がカンクンに正式に決定したのは9月初旬だったため、そこから急ピッチで諸々の準備を進めなければならなかった。
なお悪天候による順延もあった先週のファイナルズは、イガ・シフィオンテク(ポーランド/大会時2位)が全勝優勝(5勝0敗)を果たし、逆転で2年連続2度目の年間1位を手にした。
今回は出場していないが、18年のファイナルズで優勝を経験しているスビトリーナは、劣悪なコートコンディションでプレーしなければならなかった選手たちが気の毒だとした上で、次のようにWTAを批判した。
「コートの準備が整っていないのはわかった。なぜWTAがカンクンで最終戦を開催したかったのかがわからない。世界トップ8の選手たちがあのような状況でプレーするのは残念なことであり、正直に言うと私たちのスポーツにひどいイメージを与えてしまうと思う」
確かに一連の騒動は1年間過酷なツアーを戦い抜いてファイナルズ出場を遂げた選手たちに“ひどい仕打ち”を与えたと言っても過言ではない。2度とこのようなことが起こらないよう、来年以降は早め早めに準備を進めてほしいものだ。
文●中村光佑
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今年のファイナルズは終始大きな混乱に見舞われた。開幕直前の段階でコートは未完成、何とか完成したコートも整備が行き届いておらず、出場選手の間で怒りの声が続出。準決勝で敗れたアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/大会時1位/現2位)は「コートはバウンドが非常に低くて革みたいな感じ」と不平をこぼした。
グループリーグで敗退したマルケタ・ボンドルソワ(チェコ/大会時6位/現7位)も「スタジアムは試合の準備が全くできていない。組織の人間はあのコートでプレーする私たちがどう感じるかということにはほぼ関心がないように感じる」とWTA(女子テニス協会)を糾弾した。
現状女子のファイナルズは2019~28年の10年間にわたって中国・深圳が開催権を確保しているが、21年大会は新型コロナウイルスの感染拡大を理由にメキシコ・グアダラハラで実施。さらに昨年大会もダブルスの元世界女王ペン・シューアイ(中国/37歳)の性的暴行告発に端を発する騒動により、深圳から米テキサス州フォートワースに開催地を変更した。
WTAは今年4月に「(21年から停止していた)中国国内でのツアー大会を9月から再開する」と発表したにもかかわらず、今年のファイナルズも開幕2カ月前の段階で日程を含めた開催概要は公表されず。会場がカンクンに正式に決定したのは9月初旬だったため、そこから急ピッチで諸々の準備を進めなければならなかった。
なお悪天候による順延もあった先週のファイナルズは、イガ・シフィオンテク(ポーランド/大会時2位)が全勝優勝(5勝0敗)を果たし、逆転で2年連続2度目の年間1位を手にした。
今回は出場していないが、18年のファイナルズで優勝を経験しているスビトリーナは、劣悪なコートコンディションでプレーしなければならなかった選手たちが気の毒だとした上で、次のようにWTAを批判した。
「コートの準備が整っていないのはわかった。なぜWTAがカンクンで最終戦を開催したかったのかがわからない。世界トップ8の選手たちがあのような状況でプレーするのは残念なことであり、正直に言うと私たちのスポーツにひどいイメージを与えてしまうと思う」
確かに一連の騒動は1年間過酷なツアーを戦い抜いてファイナルズ出場を遂げた選手たちに“ひどい仕打ち”を与えたと言っても過言ではない。2度とこのようなことが起こらないよう、来年以降は早め早めに準備を進めてほしいものだ。
文●中村光佑
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