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海外テニス

ケガ否定のチチパスが一転してATPファイナルズを棄権「今回の痛みは明らかに耐えられなかった」<SMASH>

中村光佑

2023.11.15

ルネとの試合の序盤で激しい背中の痛みを覚えたチチパスは、すぐさま途中棄権。さらに大会自体を去る決断を下した。(C)Getty Images

ルネとの試合の序盤で激しい背中の痛みを覚えたチチパスは、すぐさま途中棄権。さらに大会自体を去る決断を下した。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(11月12日~19日/イタリア・トリノ/インドアハードコート/FIN)は現地14日にラウンドロビン(予選)第2戦を行ない、世界ランク6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)と同8位のホルガー・ルネ(デンマーク)が対戦。しかしチチパスが第1セット第3ゲーム終了直後に背中の負傷を理由に途中棄権を申し入れ、試合後には同大会からの棄権も正式に発表した。

 大会前の練習を予定時間よりも早めに切り上げるなど状態が不安視されていたチチパス。ヤニック・シナー(イタリア/4位)にストレートで敗れた現地12日のラウンドロビン初戦後の会見では、背中とヒジのケガの噂が流れていたことについて「全く問題ない」と否定していたが、やはりコンディションは万全ではなかったようだ。

 ルネ戦では序盤から背中を気にする仕草を見せながらも何とかプレーを続けていたチチパスだったが、ルネが第3ゲームをキープした直後に同箇所の痛みを訴えて途中棄権を申請。最終的に大会自体の棄権も決断したチチパスは、記者会見で試合前から感じていたという背中の異変についてこう説明している。

「コートに立ってみたらひどい感覚に陥った。この試合に向けて準備を整え、体調を整えるために最善のことをしたが、うまくいかなかった。動きに少し問題があり、動いた時に背中に影響があった。これまでは試合中に痛みが出てもそれに耐えてきたが、今回の痛みは明らかに耐えられなかった」
 
「その異変を強く感じたのは今日の試合の第2ゲームだったが、実際にはウォーミングアップの時から違和感があった。サービスを打ってみた時に、背中に強い刺激を感じ、かなりの痛みが走った。その時点で僕は最後までプレーできないかもしれないということを何となく察した」

 フィジカルの問題を抱えた中でファイナルズに参戦した理由については「ここ数日間は何度も医師に診てもらっていたが、彼らはプレーすることを勧めてくれた」と説明。続けて大会を途中で去ることは自身のプライドが許さなかったと述べつつ、ファンへの謝罪の言葉を交えて無念の思いを口にした。

「今日は僕を応援し、試合を見に来てくれた全ての観衆に申し訳ない。試合を終えることができず本当に悔しい。他の選手に今日の試合をプレーする機会を与えられなかったことについても申し訳なく思っている」

「僕は試合を途中でリタイアするのが嫌いだ。最高のプレーをするために長い間準備を重ね、実力を発揮できるような万全の体調だと確認してきたのに、この大会を完走できないことが本当に残念だ」

 なお大会棄権が決まったチチパスの代わりには最終戦レースランキングで9位につけていたフベルト・フルカチュ(ポーランド/世界9位)が補欠で参戦。現地16日に予定されているRR第3戦では世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。

文●中村光佑

【動画】「ATPファイナルズ」対ルネ戦でのチチパスの棄権シーン

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