現在開催中の男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」（11月12日～19日／イタリア・トリノ／インドアハードコート／FIN）のラウンドロビン（予選）初戦に勝利し、最多記録を更新するキャリア８度目の年間ランキング１位を確定させた世界王者のノバク・ジョコビッチ（セルビア）。現地11月13日には同大会会場で挙行された表彰式に登場し、また一つ新たな功績を手にしたことへの喜びを語った。

　今季も全豪・全仏・全米のグランドスラム（四大大会）３大会を制すなど群を抜いた強さを見せ、９月に世界１位を奪還して以降はその座をキープしてきたジョコビッチ。先週の「ロレックス・パリ・マスターズ」（ATP1000）で優勝してポイントを加算した36歳の鉄人は、現地12日のファイナルズ初戦で20歳のホルガー・ルネ（デンマーク／10位）に7－6(4)、6－7(1)、6－3のフルセットで勝利。この結果２年ぶりに世界１位でシーズンを終えることが決まり、実に通算８度目となる栄誉を手にした。

　年間１位表彰式に登場したジョコビッチは、ATP（男子プロテニス協会）のアンドレア・ガウデンツィ会長から受け取った巨大トロフィーを掲げながら王者の座に立つことの意義を語るとともに、チームメンバーへ感謝の言葉を贈った。
  「世界１位で１年を終えることはそのシーズンの栄冠となる。それは全てのテニスプレーヤーの夢だと思うし、我々のスポーツにおいて最も難しいことの一つだ。また四大大会で優勝し、世界ナンバーワンになるのは、おそらくこのスポーツで頂点を極めるということになる」

「全ての選手にとって、この１年は非常に長い年だった。その中でここに立つことができたのは喜ばしいことであり、コーチングスタッフ、トレーナー、フィットネスコーチなど、僕と一緒にこの道を歩んでくれているチームメンバーに感謝の気持ちを伝えたい。僕がコートに１人で立っているとしても、それはチームの努力によって成り立つものだ。彼らと一緒にこの功績を祝う瞬間が待ちきれない。これは大きな成功、成果であり、非常に誇りに思っている」

　数多くの有望な若手が台頭するタフな状況下で、異次元の活躍を続けるジョコビッチ。いったい誰がこの男を止められるのだろうか。ファイナルズでの２連覇も大いに期待したい。

文●中村光佑

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