イタリア男子テニス界のレジェンドで1970年代に活躍した元世界4位のアドリアーノ・パナッタ氏(73歳)が、母国の大手スポーツ紙『Corriere dello Sport』のインタビューの中で面白い自説を述べている。世界王者として君臨するノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、最近著しい成長ぶりを見せているヤニック・シナー(イタリア/4位/22歳)を恐れているのではないかと言うのだ。
ツアーでは過去6度顔を合わせているシナーとジョコビッチ。そのうちの3度の対戦は直近3週間で発生しており、11月中旬に行なわれたシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/ハードコート)のラウンドロビン(総当たり戦)ではシナーが、同大会の決勝ではジョコビッチが勝利した。
そしてファイナルズ閉幕から程なくして開催された国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ」(スペイン・マラガ/インドアハードコート)準決勝のイタリア対セルビアでも2人の対決が実現し、ここではシナーがマッチポイントを3本握られたところから大逆転でジョコビッチを撃破。海外テニスメディア『tennishead』によれば、マッチポイントを3本をセーブしてジョコビッチに勝利した男子選手はシナーが初めてだという。
ファイナルズのラウンドロビンまではジョコビッチに全敗だったシナーだが、直近では2勝1敗と勝ち越している。長年トップをひた走ってきたジョコビッチにとっても脅威の若手であることは間違いない。
そうした状況を踏まえてパナッタ氏は「シナーとジョコビッチの間にはほとんど差はない。彼らは対等に戦っている」とコメント。また同氏はシナーが絶体絶命の状況に立たされながらもジョコビッチから勝利をもぎ取ったデ杯での経験が、今後の両者の対決に大きく影響するとして、22歳の若獅子に期待の言葉を送った。
「3つのマッチポイントを凌いでノバクに勝つのは、偉業中の偉業だ。次の2人の対戦ではヤニックにアドバンテージがあるだろう。ノバクはヤニックを恐れていると思う。ヤニックがいれば我々(イタリアテニス界)は10年は安泰だと考えている。彼は堅実で成熟している選手だ」
世代を越えた良きライバル関係を築きつつあるジョコビッチとシナー。来季も2人の対決が何度も見られることを期待したい。
文●中村光佑
【動画】デ杯ファイナルズ準決勝、シナーが劇的な逆転勝ちをしたジョコビッチ戦のハイライト
【連続写真】ムチのように関節を柔らかく使ったシナーのフォアハンド「30コマの超連続写真」
【連続写真】股関節の柔軟性がパワーを生む、ジョコビッチのバックハンド
ツアーでは過去6度顔を合わせているシナーとジョコビッチ。そのうちの3度の対戦は直近3週間で発生しており、11月中旬に行なわれたシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/ハードコート)のラウンドロビン(総当たり戦)ではシナーが、同大会の決勝ではジョコビッチが勝利した。
そしてファイナルズ閉幕から程なくして開催された国別対抗戦「デビスカップ・ファイナルズ」(スペイン・マラガ/インドアハードコート)準決勝のイタリア対セルビアでも2人の対決が実現し、ここではシナーがマッチポイントを3本握られたところから大逆転でジョコビッチを撃破。海外テニスメディア『tennishead』によれば、マッチポイントを3本をセーブしてジョコビッチに勝利した男子選手はシナーが初めてだという。
ファイナルズのラウンドロビンまではジョコビッチに全敗だったシナーだが、直近では2勝1敗と勝ち越している。長年トップをひた走ってきたジョコビッチにとっても脅威の若手であることは間違いない。
そうした状況を踏まえてパナッタ氏は「シナーとジョコビッチの間にはほとんど差はない。彼らは対等に戦っている」とコメント。また同氏はシナーが絶体絶命の状況に立たされながらもジョコビッチから勝利をもぎ取ったデ杯での経験が、今後の両者の対決に大きく影響するとして、22歳の若獅子に期待の言葉を送った。
「3つのマッチポイントを凌いでノバクに勝つのは、偉業中の偉業だ。次の2人の対戦ではヤニックにアドバンテージがあるだろう。ノバクはヤニックを恐れていると思う。ヤニックがいれば我々(イタリアテニス界)は10年は安泰だと考えている。彼は堅実で成熟している選手だ」
世代を越えた良きライバル関係を築きつつあるジョコビッチとシナー。来季も2人の対決が何度も見られることを期待したい。
文●中村光佑
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