男子テニスツアー「アトランタ・オープン」(7月22日~28日/アメリカ・アトランタ/ハードコート/ATP250)は現地28日にシングルス決勝が行なわれ、日本勢トップの西岡良仁(世界ランク86位)が登場。第4シードのジョーダン・トンプソン(オーストラリア/同33位)を4-6、7-6(2)、6-2の逆転で下し、今季初優勝を飾った。
西岡は今年に入ってから苦しい日々を送ってきた。というのもクレーシーズンが終了するまではツアー大会はおろかチャレンジャー(下部大会)でも2回戦以上に進出できず、6月には約2年ぶりにトップ100から陥落していたのだ。そのため現在開催中の「パリ五輪」(7月27日~8月4日/クレー)の出場権も獲得できなかった。
状況が好転し始めたのは芝シーズンだった。諦めずに大会に出続けてきたことが奏功し、6月下旬の「ロスシー国際」(イギリス・イーストボーン/ATP250)でようやく今季初のベスト8。直後に行なわれたシーズン3つ目の四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)では2回戦敗退に終わったものの、苦手な芝のサーフェスで結果を残せたことに確かな手応えを得ていた。
そんな中で迎えた今大会、西岡はマッケンジー・マクドナルド(アメリカ/97位)、フランシス・ティアフォー(アメリカ/29位)、アーサー・リンダークネッシュ(フランス/64位)ら実力者を次々と破って決勝へ進出。その決勝では過去4戦いずれもフルセットで勝利していたトンプソンに第7ゲームから3ゲームを連取されて第1セットを落としてしまう。
第2セットもトンプソンのサービスを破れないまま終盤へ突入。すると第10ゲームの開始前に雨が降り出し、ここで試合は一時中断される。1時間後に再開されたものの、3ポイントを消化したところで再び雨天中断に。そこから約5時間もの待機を余儀なくされ、観客がほとんどいなくなった現地23時30分に2度目のプレー再開が宣告された。
結局第2セットは互いに一歩も譲らずタイブレークへ。ここでは西岡が主導権を握り、失点を2に抑えてセットオールに持ち込む。勝負のファイナルセットでは粘り強いプレーでトンプソンのミスを誘発し、計2度のブレークを奪って勝利。錦織圭(元4位)に次いで日本人男子選手で史上2人目となるツアー3勝目をゲットした。
2010年から14年にわたって開催されてきたアトランタOPは、来季のツアースケジュール変更によりATP500の大会に取って代わるため、今年が最後だった。その最後のアトランタで、22年9月の「韓国オープン」(韓国・ソウル/ATP250)以来約1年10カ月ぶりの優勝を飾った身長170センチの"小さな巨人"は、次のように喜びを語った。
「今日は逆転勝ちできたのが大きかった。雨はトンプソンにとって非常に悪い方向に働いたと思うけど、僕は雨で運をつかめた。最後は素晴らしいプレーができた。3度目の優勝…年初には信じられなかった。最高の気分だよ」
今回の優勝で約半年ぶりのトップ50復帰した西岡。今週も休む間もなく「ムバダラ・シティDCオープン」(7月29日~8月4日/アメリカ・ワシントンDC/ハードコート/ATP500)に参戦し、初戦では世界82位のアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ)と対戦する。体力面は少々心配だが、この勢いで2週連続優勝を期待したい。
文●中村光佑
【動画】西岡VSトンプソンの「アトランタ・オープン」決勝ハイライト
【PHOTO】ウインブルドン2024で西岡良仁はじめ存在感を放つ男子トップ選手の厳選ショット!
【PHOTO】西岡、錦織ら全仏オープン男子シングルスに出場した日本人選手たち
西岡は今年に入ってから苦しい日々を送ってきた。というのもクレーシーズンが終了するまではツアー大会はおろかチャレンジャー(下部大会)でも2回戦以上に進出できず、6月には約2年ぶりにトップ100から陥落していたのだ。そのため現在開催中の「パリ五輪」(7月27日~8月4日/クレー)の出場権も獲得できなかった。
状況が好転し始めたのは芝シーズンだった。諦めずに大会に出続けてきたことが奏功し、6月下旬の「ロスシー国際」(イギリス・イーストボーン/ATP250)でようやく今季初のベスト8。直後に行なわれたシーズン3つ目の四大大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)では2回戦敗退に終わったものの、苦手な芝のサーフェスで結果を残せたことに確かな手応えを得ていた。
そんな中で迎えた今大会、西岡はマッケンジー・マクドナルド(アメリカ/97位)、フランシス・ティアフォー(アメリカ/29位)、アーサー・リンダークネッシュ(フランス/64位)ら実力者を次々と破って決勝へ進出。その決勝では過去4戦いずれもフルセットで勝利していたトンプソンに第7ゲームから3ゲームを連取されて第1セットを落としてしまう。
第2セットもトンプソンのサービスを破れないまま終盤へ突入。すると第10ゲームの開始前に雨が降り出し、ここで試合は一時中断される。1時間後に再開されたものの、3ポイントを消化したところで再び雨天中断に。そこから約5時間もの待機を余儀なくされ、観客がほとんどいなくなった現地23時30分に2度目のプレー再開が宣告された。
結局第2セットは互いに一歩も譲らずタイブレークへ。ここでは西岡が主導権を握り、失点を2に抑えてセットオールに持ち込む。勝負のファイナルセットでは粘り強いプレーでトンプソンのミスを誘発し、計2度のブレークを奪って勝利。錦織圭(元4位)に次いで日本人男子選手で史上2人目となるツアー3勝目をゲットした。
2010年から14年にわたって開催されてきたアトランタOPは、来季のツアースケジュール変更によりATP500の大会に取って代わるため、今年が最後だった。その最後のアトランタで、22年9月の「韓国オープン」(韓国・ソウル/ATP250)以来約1年10カ月ぶりの優勝を飾った身長170センチの"小さな巨人"は、次のように喜びを語った。
「今日は逆転勝ちできたのが大きかった。雨はトンプソンにとって非常に悪い方向に働いたと思うけど、僕は雨で運をつかめた。最後は素晴らしいプレーができた。3度目の優勝…年初には信じられなかった。最高の気分だよ」
今回の優勝で約半年ぶりのトップ50復帰した西岡。今週も休む間もなく「ムバダラ・シティDCオープン」(7月29日~8月4日/アメリカ・ワシントンDC/ハードコート/ATP500)に参戦し、初戦では世界82位のアレクサンダー・コバチェビッチ(アメリカ)と対戦する。体力面は少々心配だが、この勢いで2週連続優勝を期待したい。
文●中村光佑
【動画】西岡VSトンプソンの「アトランタ・オープン」決勝ハイライト
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