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【テニスギア講座】テニスシューズはどこを見て選べばいい? 初中級モデルと競技モデルはここが違う!

松尾高司

2020.01.13

テニスシューズには数多くの機能があるので、「自分にとって何が必要か?」を考えて選ぶべき。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

 テニスショップには数多くのテニスシューズが並びますが、一体何が違うと思いますか? すぐに思い浮かぶのが「価格帯」と「適応サーフェス」ですね。一般に、価格の安い物が初中級者向けで、高価な物が上級者&競技者向けとされがちですが、では「初中級者が高価なシューズを履いてはいけないのか?」というと、そんなことはありません。

 競技者はシューズに求める機能的要素が多く、それを搭載するには製造コストも増します。グリップ性能、安定性能、クッション性能、パワーサポート(反発)性能、通気性能、フィット性能、機動性能、あらゆる機能において、高性能を満たさなければならないのが、競技者向けシューズなのです。

 これらの高機能スペックは、初中級者のプレーには必要ないかもしれませんが、邪魔になることはありません。ただ、競技者の強い踏み込みに適したクッション性は、初中級者の軽い踏み込みにはクッション不足となりがちです。また、体重の重い初中級者が、クッション性の高いフワフワした感覚のシューズを選ぶと、足裏が簡単に沈み込んで、むしろダイレクトにサーフェスの硬さを感じてしまいます。

 ですから、シューズ選びでは「自分にとってどんな性能が必要か?」を第一に考え、レベル別などという先入観を持たずに向かうことが肝心です。
 
 一般に初中級者向けモデルと競技者向けモデルとの性能的な差は、「安定性」「軽量性」「クッション性」などにあるでしょう。

 初中級者向けは大概が軽量で、クッション感が高め。軽い踏み込みでも十分にクッション性能が発揮される反面、競技者のような強い踏み込みに対しては、足に不安定感が出てしまいがちです。特に横方向へ強く踏み込んだ時、蹴り返しの反応が悪くなって、次の打球へ追いつくのが遅れてしまいます。

 また競技者向けは、前足部の屈曲性がやや硬めにセッティングされることが多いですね。曲がりにくいのは良くないと思われるかもしれませんが、強い力での蹴り出しには、曲がりにくいくらいの強いバネにすることで、曲がってから元に戻る「返り」の力が前進力をサポートするのです。

 それがテニスシューズの「強さ」ですが、瞬時の蹴り出しを期待するなら、屈曲しやすい方がいいという考え方もあり、長時間のプレーにはたとえ数10グラムでも軽い方が、疲労が少ないとも言えます。

 そんな選択肢の中から、自分のテニスに必要なシューズ機能は何であるか? を知り、技術レベルにとらわれ過ぎずに選ぶのがいいですね。

文●松尾高司(KAI project)

※『スマッシュ』2016年5月号より抜粋・再編集
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