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レッスン

【テニスルール虎の巻】相手コートにボールが侵入!「レット」をコールする前にスマッシュを打たれたら、どうする<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.02.22

ボールの侵入に気付いたのでゲームを止めようとしたが、相手は構わずショットを打ってきた。こんな時はどのような判断を下すべきか?(C)Getty Images

ボールの侵入に気付いたのでゲームを止めようとしたが、相手は構わずショットを打ってきた。こんな時はどのような判断を下すべきか?(C)Getty Images

 多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。

 そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこでテニス四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。

 今回は「隣のコートからのボールの侵入」についてです。相手がスマッシュを打つ直前に隣のコートからボールが侵入してきました。レット(ポイントのやり直し)をコールしようとしたら、その前にスマッシュを打ってきました…。

 さて、こんな時はどのような判定が下されるのでしょうか。聞いてみました。

   ◆    ◆    ◆

 ルールブックでは「インプレ―中、他のコートからボールが転がってくるなど、プレーヤーのプレーに妨害が起こった場合、レットになる」と明記されています。

ただし、相手がボールを打った後にレットをコールしても成立しません。よって質問のケースでは、隣のコートからボールが侵入したのを見つけたものの、相手がスマッシュを打つ前にコールできなかったのでレットは成立しません。

ボールの侵入によってプレーを止めるのであれば、スマッシュが打たれる前にコールすることです。
 
 とはいえ、スマッシュを打たれた後にレットをコールした場合でも、そのスマッシュをちゃんと打ち返すことができればレットは成立します。①相手がスマッシュを打とうとした、②隣のコートからボールが入ってきた、③相手がスマッシュを打ってきた、④その後でこちらが「レット」をコールし、打たれたスマッシュを追いかけてミスなく返球した。というケースです(返球がミスショットの場合はポイントを失います)。

 なお、隣のコートからボールが入って来るかどうか、まだわからない、まだ妨害されていない、というタイミングでレットをコールしてプレーを止めてしまうと失点となります。レットをコールするのは「ボールがコート内に入って来た時、または明らかに入って来そうな時」です。

コールするタイミングがとても重要になるので注意してください。

解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF公認審判員、JTA公認審判員も務める。日本テニス協会理事。

構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2024年8号より抜粋・再編集

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