現在行なわれている女子テニスツアーのWTA1000シリーズ「マイアミ・オープン」(3月18日~30日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)のシングルスで3回戦敗退を喫した17歳の新星ミラ・アンドレーワ(ロシア/世界ランク6位)が試合後に自身の公式インスタグラム(@_mirraandreeva_)のストーリーズ(24時間で自動消去される投稿)を更新。自身に寄せられた数々の罵詈雑言を公開した。
2月の「ドバイ選手権」(UAE・ドバイ/ハード)と先日行なわれた「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハード)を制し、四大大会に次ぐグレードのWTA1000シリーズを2大会連続で制したアンドレーワ。大ブレーク中のティーンエイジャーは、第11シードで参戦した今回の「マイアミ・オープン」でも初戦の2回戦(シード勢は1回戦免除)で同郷のベロニカ・クデルメトワ(元9位/現52位)に6-0、6-2で完勝し、マッチ13連勝を飾るとともに3回戦進出を果たした。
しかし3回戦では第17シードで地元アメリカ勢のアマンダ・アニシモワ(同17位)に6-7(5)、6-2、3-6で敗戦。そんなアンドレーワを待っていたのは心無い言葉の集中砲火だった。
投稿自体はすでに削除されているが、今回のストーリーズの画像はSNS上で出回っており、それを見てみると「史上最も頭の悪い選手だ」「国へ帰れ」などと酷いコメントが並んでいる。それにもかかわらず同投稿でアンドレーワは「試合に負けるとこうなるのよ」と綴り、幾多の罵詈雑言を淡々と受け止めるかのような姿勢を示した。
テニス界では選手に対する誹謗中傷が日常茶飯事だ。海外メディア『UBITENNIS』によると、AI(人工知能)の検出システムにおける分析では、2024年1月から10月の間に、選手を標的にしたソーシャルメディアの投稿1万2000件がガイドラインに違反していることが判明。誹謗中傷コメントの半数近くは賭博が絡んだものだったとされている。
賭博に手を染める輩が重視するのは一つの試合の結果だけで、各選手の才能や努力、戦績は無視されがちである。今季ここまで20勝4敗(先述のアニシモワ戦を含む)と大車輪の活躍を見せているアンドレーワに関しても同じなのだろう。
誹謗中傷問題に取り組むべく、昨年には国際テニス連盟(ITF)、女子テニス協会(WTA)、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)、全米テニス協会(USTA)ら一部のテニス統括団体が協力してSNS上の投稿を監視するシステムを構築したとのことだが、今回の一件を踏まえるとさらなる効果的な対応策が必要になりそうだ。なかなか一筋縄ではいかないのだろうが、今後の動向を見守っていきたい。
文●中村光佑
【画像】SNS上で出回っているアンドレーワへの誹謗中傷
【関連記事】17歳アンドレーワが史上最年少でWTA1000初制覇!優勝者恒例のシャンパンは「飲めないから残念」とユーモア交え歓喜<SMASH>
【関連記事】ロシアの17歳アンドレーワ、元女王シフィオンテクを破る金星!「ためらわずに打っていこうと自分に言い聞かせた」<SMASH>
2月の「ドバイ選手権」(UAE・ドバイ/ハード)と先日行なわれた「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/ハード)を制し、四大大会に次ぐグレードのWTA1000シリーズを2大会連続で制したアンドレーワ。大ブレーク中のティーンエイジャーは、第11シードで参戦した今回の「マイアミ・オープン」でも初戦の2回戦(シード勢は1回戦免除)で同郷のベロニカ・クデルメトワ(元9位/現52位)に6-0、6-2で完勝し、マッチ13連勝を飾るとともに3回戦進出を果たした。
しかし3回戦では第17シードで地元アメリカ勢のアマンダ・アニシモワ(同17位)に6-7(5)、6-2、3-6で敗戦。そんなアンドレーワを待っていたのは心無い言葉の集中砲火だった。
投稿自体はすでに削除されているが、今回のストーリーズの画像はSNS上で出回っており、それを見てみると「史上最も頭の悪い選手だ」「国へ帰れ」などと酷いコメントが並んでいる。それにもかかわらず同投稿でアンドレーワは「試合に負けるとこうなるのよ」と綴り、幾多の罵詈雑言を淡々と受け止めるかのような姿勢を示した。
テニス界では選手に対する誹謗中傷が日常茶飯事だ。海外メディア『UBITENNIS』によると、AI(人工知能)の検出システムにおける分析では、2024年1月から10月の間に、選手を標的にしたソーシャルメディアの投稿1万2000件がガイドラインに違反していることが判明。誹謗中傷コメントの半数近くは賭博が絡んだものだったとされている。
賭博に手を染める輩が重視するのは一つの試合の結果だけで、各選手の才能や努力、戦績は無視されがちである。今季ここまで20勝4敗(先述のアニシモワ戦を含む)と大車輪の活躍を見せているアンドレーワに関しても同じなのだろう。
誹謗中傷問題に取り組むべく、昨年には国際テニス連盟(ITF)、女子テニス協会(WTA)、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)、全米テニス協会(USTA)ら一部のテニス統括団体が協力してSNS上の投稿を監視するシステムを構築したとのことだが、今回の一件を踏まえるとさらなる効果的な対応策が必要になりそうだ。なかなか一筋縄ではいかないのだろうが、今後の動向を見守っていきたい。
文●中村光佑
【画像】SNS上で出回っているアンドレーワへの誹謗中傷
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