今季の男子テニスツアーで話題の的となっている18歳、ジョアン・フォンセカ（ブラジル／世界ランキング60位）の才能について、元１位のノバク・ジョコビッチ（セルビア／現５位）が「彼は非常に完成度が高い」と絶賛している。

　現在行なわれているマスターズ1000シリーズ「マイアミ・オープン」（３月19日～30日）のシングルス３回戦で、マスターズ歴代最多となる通算411勝目を挙げたジョコビッチ。若き才能についてたっぷりと語ったのは、この試合後の会見だった。

「ここ数カ月、彼はツアーで話題の的だ。当然だよ。非常に優れた選手で、とても若く、ベースラインの両端から信じられないほどの攻撃力がある。サーブもいい。彼はすごく完成度が高い」

　フォンセカは、アメリカのバージニア大学へ進学予定だったところで、昨年２月にプロ転向。年末には「ネクストジェンATPファイナルズ」で全勝優勝すると、今季は「全豪オープン」予選を勝ち抜き四大大会初出場。１回戦で第９シードのアンドレイ・ルブレフ（ロシア）をストレートで下す大番狂わせを演じた。さらに先月にはATP250シリーズ「アルゼンチン・オープン」でツアー初優勝を遂げている。
  　37歳のレジェンドがとりわけ目を奪われたのは、フォンセカのメンタル面だという。

「もちろん、彼のボールの打ち方も素晴らしいが、それ以上に、最高レベルでプレーした経験が全くないにもかかわらず、コート上での緊張のコントロールが素晴らしい」

　ジョコビッチの話はブラジルの巨大なマーケットにも及んだ。元世界１位のグスタボ・クエルテン以来となる国民的スターの出現は、ブラジルだけでなく、テニス界全体にとってもエキサイティングだと指摘。実際、マイアミ・オープンの会場でも、フォンセカが３回戦で敗れるまで多くのブラジル人ファンが大声援を送っていた。

　もっとも、ジョコビッチが注目している若手はフォンセカだけはない。共に19歳のヤクブ・メンシク（チェコ／同54位）とラーナー・ティエン（アメリカ／同66位）の名を挙げ、「フォンセカの話題に隠れているが、彼らも同世代だ。彼らもランキングが高く、同じくらい優れている」とコメント。そして、テニス界の近未来をこう予言した。

「もちろん、シナーとアルカラスは今日のリーダーで、まだとても若い。でも、この選手たち（フォンセカやメンシク、ティエン）は、今後数年でシナーとアルカラスの扉を叩くことになるだろう」

構成●スマッシュ編集部

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