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男子はオトリエ龍馬が2連覇!女子は小野沢菜々が念願の全国初タイトル【全国選抜ジュニア14歳以下】<SMASH>

前道右京(スマッシュ編集部)

2025.05.19

14歳以下男子優勝のオトリエ(左)と女子優勝の小野沢(右)。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

「2025 DUNLOP CUP 全国選抜ジュニアテニス選手権大会兼ワールドジュニアテニス世界大会 代表選考会」(千葉県・吉田記念テニス研修センター/ハードコート)は、5月18日にシングルス決勝を実施。14歳以下男子はオトリエ龍馬(関東・Team Rise)、女子は小野沢菜々(関東・Team YUKA)が全国制覇を果たした。

 男子決勝は、第1シードのオトリエが第2シードの金田歩積(関東・アポロコーストテニスクラブ)を6-2、4-6、6-4で下し、大会2連覇(昨年は12歳以下の部で優勝)を達成した。

 オトリエは昨年、12歳以下の部で「全国選抜ジュニア」「全国小学生テニス選手権」「全日本ジュニア」の3冠を達成した注目のジュニア選手。対する金田は2023年の全日本ジュニアを制した実力者で、初出場となった全国大会でいきなり栄冠を手にした。そんな全国タイトル保持者同士による決勝戦は、火花を散らす熱戦が繰り広げられた。

 序盤から激しい打ち合いが展開されたこの試合は、速いテンポで攻撃を仕掛けたオトリエが2度のブレークに成功し、第1セットを先取。1年で6センチ身長が高くなり、「前よりはサービスの威力が出て自信が付いてきたし、パワーのあるショットが打てるようになってきた」とショットクオリティの向上を実感している様子だ。

 しかし第2セットでは、金田のアグレッシブな攻めにオトリエが苦戦を強いられる。力強いフォアハンド、鋭いボレーに押され、第10ゲームでブレークを許すと、そのままセットを奪われた。

 迎えた勝負の第3セット、攻撃の手を緩めない金田に対し、オトリエが必死に食らい付く。4-1のリードから金田の猛攻を受け、4-4と追い上げられる苦しい展開となったが、「足の動きが悪くなった中でも集中力を高めてプレーできた」と振り返るように、要所で勝負強さを発揮。最後は流れを引き戻し、熱戦を制した。

「優勝できてすごくうれしい」と喜びを語ったオトリエ。今後の目標を問うと、「まずは夏の全日本ジュニアで優勝。そして、海外の大会にも挑戦していきたい」と意欲を示した。
 
 一方の女子決勝は、第8シードの小野沢がノーシードから勝ち上がってきた梅田巴花(九州・ルーセントテニスクラブ熊本)と対戦し、4-6、6-4、6-4で逆転勝利。一昨年の12歳以下の部では準優勝に終わっていたが、念願の全国初タイトルを手にした。

 第1セットを落とし、第2セットも2-4と苦しい展開だった小野沢。しかし、「前回の試合(準決勝)でも追い込まれた状況から自分のプレーを貫いて巻き返すことができたので、今回も同じように巻き返せる」と自分を信じ、そこから怒涛の4ゲーム連取で1セットオールに戻した。

 第3セットでは流れを渡すことなく、「しっかり回転をかけてボールの質を上げながら、ミスを少なくする」といった日頃の練習で意識していることを実践。パワフルなショットを広角に打ち分け、オープンコートに叩き込んでいく。最後は白熱のラリー戦を制し、激戦に終止符を打った。

「しっかり自分のプレーができて勝てたことが、とにかくうれしいです」と笑顔を見せた小野沢。「全日本ジュニアでも優勝して2冠を飾りたい」とさらなる飛躍を誓った。

 18日に行なわれた14歳以下の試合結果は以下の通り。

【全国選抜ジュニアテニス選手権大会】 
◆男子結果
決勝/オトリエ龍馬(関東・Team Rise)[1] 6-2 4-6 6-4 金田歩積(関東・アポロコーストテニスクラブ)[2]
3位決定戦/五島科依(関西・T.K.C Jrアカデミー)[3] 6-2 7-5 安居院虹斗(関西・ARROWS TENNIS SCHOOLS)[5]

◆女子結果
決勝/小野沢菜々(関東・Team YUKA)[8] 4-6 6-4 6-4 梅田巴花(九州・ルーセントテニスクラブ熊本)
3位決定戦/長谷川良菜(東海・GITC)[9]  6-3 6-7 6-2 坂田芽優(関東・狛江インドアジュニアATPチーム)[2]

取材・文●前道右京(スマッシュ編集部)

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