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全仏初戦敗退の40歳ワウリンカ、現役を続けるか「まだはっきりわからない」と逡巡。「来年戻れる保証はない」<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.05.28

40歳にして現役を続けるワウリンカだが、今季は成績が振るわず全仏OPも初戦負け…。これが最後の全仏になる可能性も示唆した。(C)Getty Images

 開催中のテニス四大大会「全仏オープン」男子シングルスに主催者推薦で挑んだ、2015年大会優勝者のスタン・ワウリンカ(スイス/世界ランク138位)。残念ながら1回戦でジェイコブ・ファーンリー(イギリス/同55位)に6-7、3-6、2-6のストレートで敗れた。

 元世界3位の40歳は、敗戦後の記者会見で自身の今後について言及している。

「テニスから引退することは極めて個人的な話だと思う。どう対処するか、まだはっきりわからない」とし、「来年の全仏オープンに戻れる保証はない。ランキングを上げられなければ、たとえワイルドカードであろうと戻らないだろう」とも語った。

 15年に決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)を破って全仏初優勝を飾ったワウリンカは、その後も16年にベスト4入りを果たし、17年にはラファエル・ナダル(スペイン)との決勝の舞台に立つなど、パリの赤土で輝かしい戦績を残してきた。

 しかし近年は故障に苦しみ、21年には手術を受けて長期離脱を経験。それでも23年は世界ランク50位でシーズンを終え、昨年はパリ五輪にも出場した。そして今季、ツアー本戦では全仏を含め1勝8敗と低迷が続くが、4月の下部ツアーでは世界ランク26位のアレクセイ・ポピリン(オーストラリア)らを下して準優勝していた。
 
「良いプレーのレベルを維持しようとできる限りのことはやってきた。体力的にも技術的にも、今できていることに満足している。僕は競争者だから結果が必要だ。たとえ楽しんでいても、情熱的であっても、僕は勝つためにプレーしている。今年の序盤は勝てない試合が続いてしまった。まだ結果を出せていない」

 ワウリンカと同世代のトップ選手を見渡すと、トマシュ・ベルディフ(チェコ)が19年に引退し、ジョー-ウィルフリード・ツォンガ(フランス)も22年にラケットを置いた。しのぎを削ってきたビッグ4の面々も、ロジャー・フェデラー(スイス)が22年に去り、アンディ・マリー(イギリス)とナダルも昨年続いた。ツアーで上位に残るのは38歳のジョコビッチとガエル・モンフィス(フランス/42位)くらいだ。

 テニスへの情熱だけでなく、勝利への執念も衰えないワウリンカ。再び好結果をつかむ日は訪れるのか。40歳となった彼は、いまやトップ200の中で最年長の選手である。

構成●スマッシュ編集部

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