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全仏ではサービスを「簡単に叩かれていた」 シフィオンテクの課題を元世界4位ルゼツキーが分析<SMASH>

スマッシュ編集部

2025.06.14

ルゼツキー氏(左)が全仏オープン4連覇を逃したシフィオンテク(右)の弱点を指摘した。(C)Getty Images

 先日行なわれたテニス四大大会「全仏オープン」(フランス・パリ/クレー)の女子シングルス準決勝で敗れたイガ・シフィオンテク(ポーランド/世界ランキング7位)。そのパフォーマンスを受け、1997年の全米オープンで男子シングルス準優勝を果たした元世界4位のグレッグ・ルゼツキー氏(イギリス)は、「サービスに明確な課題がある」と自身の見解を口にした。

 昨年の全仏以降、1年以上タイトルから遠ざかっているシフィオンテク。今季は得意のクレーシーズンで思うような結果を残せず、パリの地でもアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/同1位)を相手に敗れ、女子選手史上初となる大会4連覇とはならなかった。

 それでも復調の兆しは随所に見られた。1回戦から危なげない内容で勝ち上がり、4回戦ではエレーナ・ルバキナ(カザフスタン/同11位)、準々決勝ではエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/同13位)といった難敵に勝利。元世界1位の姿を彷彿とさせるプレーで観客を魅了した。

 試合後の会見では「今大会は、数週間前より良いプレーができたと感じている。ランキングは落ちるだろうけど、計算してみると、大したことではないとわかっている」とすでに前を向いている様子だった。
 
 そして今回、そんな彼女の現状を分析したのが、前述のルゼツキー氏だ。自身のポッドキャスト番組「Inside In」に出演し、冷静な目線で次のように語った。

「イガのストロークとリターンは、間違いなく世界トップクラスだ。しかし、サービスには課題がある。特にサバレンカ戦では、ファーストサービスもセカンドも簡単に叩かれていた。今後は他の選手たちも、彼女のサービスを徹底的に狙ってくるだろう。

 彼女ほどのレベルなら、ファーストサービスの次のショットで主導権を握る必要がある。セカンドを攻められた時には、よりうまくリカバリーできる術を持たなければいけない」

 加えて、ルゼツキー氏は今後控える芝シーズンへの懸念も口にした。

「彼女の厚いフォアハンドグリップやフットワークを見ていると、芝ではなかなか適応が難しいと思う。実際、スライスの対応や低いバウンドに苦しむ場面も少なくない。芝での戦いは彼女にとって大きなチャレンジになるだろう」

 それでもシフィオンテクは、昨年と一昨年のウインブルドン(イギリス・ロンドン/芝コート/四大大会)でベスト8に進出しており、芝への適応は着実に進んでいる。今後は6月22日開幕の「バート・ホムブルク・オープン」(ドイツ・バート・ホムブルク/芝コート)で芝シーズン初戦を迎える予定だ。

構成●スマッシュ編集部

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