昨年1月に産休から復帰して以降順調に勝利を積み重ね、一時消滅していたランキングも現在は大幅に回復させている女子テニスの大坂なおみ(現57位/27歳)。これまでに4度の四大大会優勝を経験し、世界1位にも上り詰めた彼女は以前の強さを取り戻そうと懸命な努力を続けている。
今年1月の「ASBクラシック」(ハードコート/WTA250)では準優勝、5月初めの下部大会「サン・マロ・オープン」(クレー/WTA125)では優勝を飾った大坂。しかし彼女の復帰ロードは全体的にアップダウンが激しく、完全復活にはまだ時間が必要だと見られている。中でも最高峰の四大大会では苦戦しており、復帰後の最高成績は今年1月の全豪オープンでの3回戦進出にとどまっている。
スペインメディア『Punto de Break』によると、先日海外テニス専門チャンネル『Tennis Channel』に出演した女子元世界1位のトレイシー・オースチン氏(アメリカ/62歳)と男子元1位のアンディ・ロディック氏(アメリカ/42歳)が、苦戦が続く大坂の話題を取り上げたという。
オースチン氏は大坂の努力を称賛する一方、悩める27歳の元女王にもどかしさを感じている様子。テニスツアーが芝シーズンに突入したことに触れながら、厳しめにこう語った。
「正直に言うと、四大大会を4度も制した選手が復調するのにここまで時間がかかるとは思わなかった。特に、彼女がこの新たな人生のステージで、パトリック・ムラトグル氏(大坂の現コーチ/フランス)と密に取り組んでいる姿を見るとね」
「ナオミはとても努力している。特に敗北の後は特に必死に取り組んでいるのがわかる。いつもアカデミーに戻って練習しているし、そうした姿勢を見るととても誇らしい。苦手なクレーコートへの挑戦もその一つね。ただ彼女の4度の四大大会優勝は全てハードコートで、キャリアを通じて芝は決して快適にプレーできたことがない。だから、今年の夏もあまり期待しない方がいいかもしれない」
その上でオースチン氏は大坂の課題についてこう続ける。「サービスについてはまだ大きく変わる可能性があると思う。今は試合中に少し迷いが見えるし、3セット目で4-6や5-7のように競ったスコアで負ける試合も多い。かつて彼女が持っていたオーラは少し薄れてしまった気がする。今は多くの選手がナオミに勝てると思っているんじゃないかしら。ナオミにとっては難しい状況だと思う」
一方のロディック氏は大坂が不得意な芝シーズンを克服することへの期待を寄せつつ、改善すべき点を次のように指摘した。「私はナオミが芝でも十分に良いプレーができると思っている。彼女はもう少し"最初の一撃"に重点を置いたプレーに集中する必要がある。例えばサービスにもう少し変化をつけたり、セカンドサービスで少しリスクを取ったりして、その後の展開で相手に主導権を握られないようにすることが大事だと思う」
レジェンド2人のアドバイスには厳しさもあるが、それ以上に大坂への信頼と期待が込められている。その思いはきっとファンも同じだろう。
文●中村光佑
【画像】大坂なおみをはじめ、2025全仏オープンを戦う女子トップ選手たちの厳選フォト
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スペインメディア『Punto de Break』によると、先日海外テニス専門チャンネル『Tennis Channel』に出演した女子元世界1位のトレイシー・オースチン氏(アメリカ/62歳)と男子元1位のアンディ・ロディック氏(アメリカ/42歳)が、苦戦が続く大坂の話題を取り上げたという。
オースチン氏は大坂の努力を称賛する一方、悩める27歳の元女王にもどかしさを感じている様子。テニスツアーが芝シーズンに突入したことに触れながら、厳しめにこう語った。
「正直に言うと、四大大会を4度も制した選手が復調するのにここまで時間がかかるとは思わなかった。特に、彼女がこの新たな人生のステージで、パトリック・ムラトグル氏(大坂の現コーチ/フランス)と密に取り組んでいる姿を見るとね」
「ナオミはとても努力している。特に敗北の後は特に必死に取り組んでいるのがわかる。いつもアカデミーに戻って練習しているし、そうした姿勢を見るととても誇らしい。苦手なクレーコートへの挑戦もその一つね。ただ彼女の4度の四大大会優勝は全てハードコートで、キャリアを通じて芝は決して快適にプレーできたことがない。だから、今年の夏もあまり期待しない方がいいかもしれない」
その上でオースチン氏は大坂の課題についてこう続ける。「サービスについてはまだ大きく変わる可能性があると思う。今は試合中に少し迷いが見えるし、3セット目で4-6や5-7のように競ったスコアで負ける試合も多い。かつて彼女が持っていたオーラは少し薄れてしまった気がする。今は多くの選手がナオミに勝てると思っているんじゃないかしら。ナオミにとっては難しい状況だと思う」
一方のロディック氏は大坂が不得意な芝シーズンを克服することへの期待を寄せつつ、改善すべき点を次のように指摘した。「私はナオミが芝でも十分に良いプレーができると思っている。彼女はもう少し"最初の一撃"に重点を置いたプレーに集中する必要がある。例えばサービスにもう少し変化をつけたり、セカンドサービスで少しリスクを取ったりして、その後の展開で相手に主導権を握られないようにすることが大事だと思う」
レジェンド2人のアドバイスには厳しさもあるが、それ以上に大坂への信頼と期待が込められている。その思いはきっとファンも同じだろう。
文●中村光佑
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