どうすればテニスで一段上のステージへ行けるのだろうか?日々練習に打ち込み、試合にも出場している方であれば、誰でも一度は思うことでしょう。
この謎に迫るべく、飛躍的に競技成績が向上する現象を「ブレークスルー」と名付け、過去にブレークスルーの経験があり、全国大会で上位進出経験のある8名の選手にインタビューを行ない、その内容を徹底分析しました。
その結果、多くの選手が共通してブレークスルーのために重要だと感じている事柄が浮かび上がってきました。まず欠かせないのは、練習の質を高め、競技力を継続的に高めていくことです。
それに加え、日々の練習に打ち込むための土台となる、高いモチベーションを保ち続けること、身につけた実力を試合で発揮できるようになることも重要です。インタビューを通して、これらを実現するために選手が行なっている具体的な工夫や実践も明らかになりました。
第2回は、「高いモチベーションを保ち続ける」ために重要となる「技術に関する目標を設定すること」について解説していきます。

■不確実性の高い「結果目標」
前回は、「絶対に達成したい目標を設定すること」の重要性と、その方法について解説しました。その上で、ある大会でいつもベスト16止まりの選手が、「来年の夏にある大会でベスト4に入る」という目標を立てたとします。この目標は程よくチャレンジングであり、具体性も高く、優れた目標と言えるでしょう。
一方、この目標の達成は、自分自身でコントロールできることなのでしょうか。大会での結果は、良くも悪くも相手やその時々の運といった、自分ではコントロールできない要素に大きな影響を受けるものです。そのため、自分が上達していたとしても、必ずしも結果目標を達成できるとは限りません。さらに、こうした「コントロールできない結果」だけを追い求めすぎると、モチベーションが高まるどころか、かえって大きなストレスを抱えてしまうことも少なくありません。
■「技術に関する目標」も併せて持つことが重要
そこで、結果目標を達成するために、どういったプレーができるようになりたいのか、そのために何をするのかという、「技術に関する目標」を併せて持つことが重要です。例えば、「ダブルフォールトを減らすために、サービス練習の時にはセカンドサービスを10球連続で入れることを意識する」という目標であれば、日々の練習の中で意識して取り組むことができる、比較的コントロールしやすい目標と言えるでしょう。
先ほどの結果目標が、他者との比較に焦点を当てた目標であるのに対して、技術に関する目標は、過去の自分との比較に焦点を当てた目標です。そのため、目標を追い求める中で、「少しずつできることが増えている」といった進歩が感じられやすく、モチベーションを高く保ち続ける上でも重要な役割を果たします。
実際に、ある選手はインタビューの中で、「自分の中で明確な目標を立てると、達成のために必要なことがたくさん出てくる。たくさんあるから大変だけれど、その小さな課題を一つ一つ解決すること自体に楽しさを見出している」と話しています。
この謎に迫るべく、飛躍的に競技成績が向上する現象を「ブレークスルー」と名付け、過去にブレークスルーの経験があり、全国大会で上位進出経験のある8名の選手にインタビューを行ない、その内容を徹底分析しました。
その結果、多くの選手が共通してブレークスルーのために重要だと感じている事柄が浮かび上がってきました。まず欠かせないのは、練習の質を高め、競技力を継続的に高めていくことです。
それに加え、日々の練習に打ち込むための土台となる、高いモチベーションを保ち続けること、身につけた実力を試合で発揮できるようになることも重要です。インタビューを通して、これらを実現するために選手が行なっている具体的な工夫や実践も明らかになりました。
第2回は、「高いモチベーションを保ち続ける」ために重要となる「技術に関する目標を設定すること」について解説していきます。

■不確実性の高い「結果目標」
前回は、「絶対に達成したい目標を設定すること」の重要性と、その方法について解説しました。その上で、ある大会でいつもベスト16止まりの選手が、「来年の夏にある大会でベスト4に入る」という目標を立てたとします。この目標は程よくチャレンジングであり、具体性も高く、優れた目標と言えるでしょう。
一方、この目標の達成は、自分自身でコントロールできることなのでしょうか。大会での結果は、良くも悪くも相手やその時々の運といった、自分ではコントロールできない要素に大きな影響を受けるものです。そのため、自分が上達していたとしても、必ずしも結果目標を達成できるとは限りません。さらに、こうした「コントロールできない結果」だけを追い求めすぎると、モチベーションが高まるどころか、かえって大きなストレスを抱えてしまうことも少なくありません。
■「技術に関する目標」も併せて持つことが重要
そこで、結果目標を達成するために、どういったプレーができるようになりたいのか、そのために何をするのかという、「技術に関する目標」を併せて持つことが重要です。例えば、「ダブルフォールトを減らすために、サービス練習の時にはセカンドサービスを10球連続で入れることを意識する」という目標であれば、日々の練習の中で意識して取り組むことができる、比較的コントロールしやすい目標と言えるでしょう。
先ほどの結果目標が、他者との比較に焦点を当てた目標であるのに対して、技術に関する目標は、過去の自分との比較に焦点を当てた目標です。そのため、目標を追い求める中で、「少しずつできることが増えている」といった進歩が感じられやすく、モチベーションを高く保ち続ける上でも重要な役割を果たします。
実際に、ある選手はインタビューの中で、「自分の中で明確な目標を立てると、達成のために必要なことがたくさん出てくる。たくさんあるから大変だけれど、その小さな課題を一つ一つ解決すること自体に楽しさを見出している」と話しています。