第２試合には初めてシングルスNo.１を務める望月が登場し、ツアー屈指のビッグサーバーであるヤニック・ハンフマン（135位）と対戦した。最高位45位の相手だが、過去の対戦成績は１勝１敗で、直近では今年３月に望月が勝っている。

　この日も序盤は望月が持ち味を発揮した。ラリーでもリターンでも前に入ってライジングで捉え、そのままネットを奪う得意のパターンで相手にプレッシャーをかける。サーブ＆ボレーも交えた速い攻めで効率良くボレーやスマッシュを決め、3-3まで互角の展開。

　しかし徐々にハンフマンのスピードに望月が押され始める。ハンフマンはあまりスピンをかけず、低い弾道のフラット系ショットを持ち球にするタイプ。ボールが跳ねないぶん、望月としてはライジングで高い打点で合わせづらく、特に深く打たれると押されるケースが目立つ。浅ければネットに出られるが、相手のペースが上がってくるとそのチャンスは減り、無理に出るとパスやロブで抜かれてしまう。

「思っていたより早くボールが返ってきた。僕の低い球にしっかり対応してきた」と望月。最大の武器であるライジング＆ネットを攻略された望月は、第７、９ゲームをブレークされ3-6で第１セットを落とす。

　第２セットになっても流れは変わらず...。ラリーだけでなく「サーブの調子も良かった」と言うハンフマンは随所でノータッチのエースを決め、確実にキープ。そして第７ゲームで望月のサービスを見事なパスでブレークすると、そのまま6-3で押し切った。

「相手がレベルの高いプレーをしてきて、僕が付いていけず、シンプルに力不足を感じた」と望月は脱帽。独特のテニスでツアーに台頭してきた望月だが、一方で早くも対応策を研究されてきていると感じられた敗戦だった。
  　初日を連敗で終えた日本の添田豪監督は「ほんのちょっとのところ、紙一重」と悔しさを見せたが、内容が良かったことを踏まえ「ダブルスを勝てば違う状況になる」と前を向く。２日目のダブルスは、世界屈指の強豪、ケビン・クラビーツ（複12位）／ティム・プッツ（複13位）に綿貫陽介（複897位）／柚木武（複114位）が挑む。厳しい戦いになるのは必至だが、土壇場からの逆襲を期待したい。

【９月12日(金)試合結果】　 
第１試合　●西岡良仁（153位）［4-6 7-6(4) 4-6］ヤン-レナード・ストルフ（98位）○
第２試合　●望月慎太郎（104位）［3-6 3-6］ヤニック・ハンフマン（135位）○

【９月13日(土)試合予定：13時スタート】
第３試合　綿貫陽介（複897位）／柚木武（複114位） vs ケビン・クラビーツ（複12位）／ティム・プッツ（複13位）
第４試合　望月慎太郎（104位） vs ヤン-レナード・ストルフ（98位）
第５試合　西岡良仁（153位） vs ヤニック・ハンフマン（135位）
※第２日の出場選手は変更の可能性あり

取材・文●渡辺隆康（スマッシュ編集部）

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