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海外テニス

大舞台でプロ初勝利を挙げた園部八奏。「大きくズドンと構えていた方がいい」17歳が示した大器の片りん<SMASH>

内田暁

2025.10.22

東レPPOの大舞台でプロ転向初勝利を挙げた園部。急成長中のバルトゥンコワをストレートで下し、笑顔が弾けた。写真:滝川敏之

東レPPOの大舞台でプロ転向初勝利を挙げた園部。急成長中のバルトゥンコワをストレートで下し、笑顔が弾けた。写真:滝川敏之

 この試合だけではないが、園部はリターンでポジションを上げ、相手がサービスを打つより先にコースを読み切ったかのように動いていることが多い。園部いわく、「緊張した場面だと、みんなサーブをバックに集めがち」。そこで「相手の気持ち、ここに打ちたいんだろうなっていうのを考えて動いてました」という。

 その読みが当たったのは、「半分くらいかな」と本人は笑うが、相手にしてみれば、当たった時のリターンの威力を思えば驚異だ。

 第1セットの最後に相手が犯した連続ダブルフォールトも、かけ続けた圧力により、園部が奪ったポイントだ。

 一度つかんだ流れと勢いを、17歳は手放さない。第2セットも3ゲーム連取でリード。その後、ブレークの危機に面しもしたが、コート上の佇まいは堂々たるもの。自身が主導権を掌握していることを、観客に、そして相手にも示すようだった。

 最終スコアは、6-4、6-3。勝利の瞬間には、明るく無邪気な笑みが爆ぜた。
 
 先に「プロ転向初勝利」と記したが、プロの大会はすでに数多く経験済み。今年2月には、東レPPOと同グレードの「アブダビオープン」に予選から参戦し、本戦2回戦まで進出。トップ100選手相手にも、3つの白星を勝ち取っている。4月末には、ここ有明コロシアム開催の「安藤証券オープン」(下部ツアーのITF W100)に出場し、5連勝で優勝トロフィーも手にしている。

 その後は早期敗退が続く時期もあったが、本人は「自分のプレー的にも、めっちゃ波がある方」と、どこか客観的かつ泰然自若と構える。

「全部優勝する気で挑んでいるけれど、それで全部勝てるわけないし。ある程度は、大きく、ズドンと構えていた方が良いのかなと思っています」

 プロ転向直後には、そんな心構えを語っていた。
 
 その言葉通り、大舞台で手にした大きな勝利。波に飛び乗った大器の勢いは、ここからさらに加速するかもしれない。

取材・文●内田暁

【画像】「東レ パン パシフィック オープン2025」大会2日目厳選PHOTO/園部八奏がプロ転向後初勝利を挙げる

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