専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

錦織圭が全米OP予選で再発見したテニスの楽しさ!待ち受けるのは“後継者”坂本怜との運命の一戦<SMASH>

内田暁

2026.08.27

キャリア最後の全米オープン本戦出場を懸けて、錦織は自身の後継者ともいえる坂本(写真右)と対戦することが決まった。(C)getty Images

キャリア最後の全米オープン本戦出場を懸けて、錦織は自身の後継者ともいえる坂本(写真右)と対戦することが決まった。(C)getty Images

「1~2ポイントだけ楽しかったですね。自分のしたいプレーはリスクもあるので、コーチに怒られる可能性もあるんですけど、なんかこう、やっぱ自分のしたいプレーをすると『楽しいな。なんかいい感じで振り切れてるな』みたいなのが一瞬あったんで」

 それら「楽しい」プレーができたのは、第2セットの中盤頃だったという。興味深いのは、勝利間近の第2セットのゲームカウント4-3の場面で、錦織はラケットを2本張り替えに出していたこと。楽しみながらも、妥協はない。より繊細かつ完璧なフィーリングを、彼はこの局面でも求めていた。

 やや余談ではあるが、錦織の「コーチに怒られる可能性もあるけど」の言葉も、興味深い。少年時代に、錦織と共に米国IMGアカデミーに渡った同期選手から、こんなエピソードを聞いたことがある。

「圭は、ストロークの練習中に突然ドロップショットを打ったりして、コーチに怒られていた」...と。味気ない勝利より、楽しさや痛快さを求める少年は、36歳を迎えた今も彼の心の中にいる。

 その意味でも、次の一戦に彼は胸を高鳴らせているのではないだろうか。

 本戦の切符をかけた予選決勝の相手は、20歳の坂本怜。

「僕は小さい頃、錦織選手をテレビで見て『すっげー』と感動して夢をもらって、希望をもらった。そのことは今でも覚えている」
 
 坂本が目を輝かせ、「スーパースター」への無垢なる憧憬を口にしたのは16歳の時。錦織の足跡を辿るように、盛田正明テニスファンドの支援を受け、IMGアカデミーに渡って間もない頃だった。

 自分の背を一途に追ってきた後輩との対戦を、錦織は「うれしい気持ちの方が強いかもしれないですね」と心待ちにする。

「彼のことは尊敬してるし、強くなれるだろうなという気持ちもある。純粋に強くなってほしいし、いい結果も出してほしい。その中で最後に真剣勝負ができるのは、僕にとってはうれしいことかなと思います」

 穏やかな表情で、彼は優しく言葉を紡いだ。

 キャリア最後の四大大会で、自身の後継者と謳われる20歳と、本戦の切符を懸けて対戦する――。

 ケガとの長く苦しい戦いの末に、ついにテニスの楽しみに再び出会えた錦織にとって、全米オープンで実現する坂本との真剣勝負は、テニスの神様がくれた最高のプレゼントだ。

現地取材・文●内田暁

【動画】錦織が16歳のアントニウスにストレート勝ちした「全米オープン」予選2回戦ハイライト

【関連記事】「リミットを超えた」松岡修造が錦織圭の全米OP予選2回戦を熱く独自解説。坂本怜との決勝は「特別な一戦になる」<SMASH>

【関連記事】初戦白星の錦織圭、引退を決めても「勝ちたい気持ちはかなり強い」。“怖気づいた”第2セットを乗り越えた勝利への渇望<SMASH>
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    10月9日(金)発売

    定価:800円 (税込)
  • world_soccer_digest

    10月15日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • smash

    10月22日(木)発売

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    10月16日(金)発売

    定価:1650円 (税込)
  • slugger

    9月26日(土)発売

    定価:1100円 (税込)