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国内テニス

「目指すところがあると、人間って頑張れる」優勝したダニエル太郎と加藤未唯が手にした新たな手応えとは?『BEAT COVID-19 OPEN』【国内テニス】

内田暁

2020.07.04

「いつもより気持ちが入っていたかもしれない」と語る清水。大会では準優勝に終わったものの彼もまた多くの収穫を手にしたようだ。写真:内田暁

「いつもより気持ちが入っていたかもしれない」と語る清水。大会では準優勝に終わったものの彼もまた多くの収穫を手にしたようだ。写真:内田暁

 サービスの向上は、今大会で清水自身も感じられた、一番の成長点だったという。ダニエルからの評価を伝え聞くと、「サービスが良くなって3球目で攻められるようになったので、それが攻撃的に見える理由ですかね……」とはにかみながらも、先輩からの評価をうれしく感じている様子だった。

 同時に、ダニエルにラウンドロビンと合わせ2敗を喫した事実を、真摯に受け止め糧とする。

「1大会に2回も負けたら、実力差と認めざるを得ない。また練習して、臨むのみです」

 優勝したダニエルにしてみても、切り返しのランニングショットやサービスなど、ツアー中断中に重点的に磨きをかけたプレーが発揮できたことは、大きな喜びだったという。

 ホテルに宿泊し、制約のある中で過ごす緊張感。試合の中で、自分のミスや相手からのプレッシャー、そして審判のジャッジに覚える苛立ち…、それら忘れかけていた大会特有の空気を思い出せたことも、8月に再開されるツアーへの格好の準備となった。

「たくさん緊張しストレスもたまり、筋肉痛もすごい。色んな意味で充実した3日間でした」

 優勝賞金やトロフィーと共に、多くの収穫をビーンズドームから持ち帰った。
 
「8月のツアー再開に向け、自信がついたし良い準備ができた」と明言したのは、女子優勝者の加藤未唯も同様だ。いや、彼女の場合は、ここから進むべき道の正しさに確信を持たてという意味で、一層大きな価値を帯びたかもしれない。

 加藤が、当時プロ1年目の牛島里咲に敗れ「全然動けてない…」と落胆したのは、昨年11月のことだった。

 ダブルスに専念してから、約1年。久々のシングルを戦いながら、イメージの中の自分とあまりに重ならぬ身体の動きに、ショックを受けざるを得なかった。

 それから、8カ月――。

 今大会の準決勝で、加藤は牛島相手に見違えるようなプレーを披露した。

 力強いフォアを左右に打ち分け、相手のボールが浅くなると見るや前に詰めては、スイングボレーを豪快に叩き込む。

 打ち合いを支配された時も、快足を飛ばし決まったかに見えたボールをすくい上げ、スライスのアングルショットなどで逆にウイナーを奪って見せる。彼女の持ち味であるダイナミックな動きや創造性溢れるショットの数々が、コート狭しと描かれていた。
 

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