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海外テニス

【大坂なおみ・全米テニス名勝負集2】初の全米OP本戦で、ピンチを切り抜けられたのは憧れの選手のおかげ/2016年1回戦

内田暁

2020.09.01

28シードのバンダウェイにフルセットで勝利した、ノーシードの大坂なおみ。写真:THE DIGEST写真部

28シードのバンダウェイにフルセットで勝利した、ノーシードの大坂なおみ。写真:THE DIGEST写真部

 対する大坂は、相手の乱れに気が付きながらも、「気にしない」ことを心掛けていたと言う。マッチポイントがどう決まったかも「覚えていない」ほどに高まっていた集中力。例の0-40をどう切り抜けたかも、会見で指摘されるまで思いだせなかったほど。そうして例の場面での胸中を、彼女は思い起こす。

「あの場面では、セレナ(ウィリアムズ)を頭の中に思い描いていた。彼女はいつも、リードされている時こそエースを決めるから」
 
 憧れの存在をイメージし、叩き出したこの日最速のサービス。ちなみに大会初日が終わった時点で、女子の最速サービスは大坂が叩きだした125マイル。2位はバンダウェイの120マイル。まさに試合は「サービス合戦」であり、その戦いを制した大坂が勝者となった。

 これで参戦したグランドスラムでは、全て初戦を突破してきた大坂。大舞台に強い理由を問われると、「頭のどこかで、すごく大切な大会だと思っているからかしら?」

 驚異の集中力と勝利への執念、そして試合のみならず、「会見やお客さんが応援してくれること」をも楽しむメンタリティで、より多くの勝利を奪いに行く。

◆2016年1回戦
大坂なおみ [6-7(4) 6-3 6-4]ココ・バンダウェイ

取材・文●内田暁

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