伊達プロジェクトの一員として、伊達が自分たちのために立ち上げた大会に身を置くのは、プレッシャーとの戦いでもあっただろう。それでも彼女は、重圧も対峙すべき要素として受け入れた。勝ち上がるたびに伊達に言われたのは、「勝つには勝っているが、優勝するという強い気持ちが足りない」ということ。その言葉を胸に刻み、準々決勝や準決勝では競った試合を勝ち切った。
ただ決勝戦では、多少の気持ちの空回りもあっただろうか。緊張の立ち上がりを相手に叩かれ主導権を握られると、9ゲーム連取を許すワインサイドな展開に。そこからは、「相手が打つコースもわかってきた。ここがチャンスだと思った」と冷静さを保ち5ゲーム連取で逆襲するも、第2セットは取り切れず。「ポイントが欲しくて、力んでミスが出た」ことを悔やんだ。
その奥脇を破り初代優勝者となったのは、15歳の石井さやか。全国選抜ジュニアのタイトルなどは持つ石井だが、国際大会では、これがうれしい初戴冠。
コロナ禍で実戦の場が消えていく時期を「課題にしっかり取り組む良い期間」と捉え、サービス等の強化に取り組んできたという石井。その成果を発揮しての優勝に「素直にうれしい」と相好を崩し、同時に、「この大会で見えた課題に取り組み、来年はグランドスラムジュニア出られるように頑張りたい」と断言した。
また男子シングルスを制したのは、アメリカ人を父に持つジョーンズ怜音。伊藤竜馬も輩出した地元四日市市のスクールでテニスを始め、2年半前から、フランスのムラトグルアカデミーを拠点とする15歳は、現在はビザの関係で一時帰国中。その間に出場した山梨のITFジュニア、そして今大会でも硬軟自在のプレーで優勝し、着実に世界へのステップへと足を掛けた。
今大会の男女優勝者はいずれも、「来年はグランドスラムジュニア」、そして近い将来には「プロとして世界で戦う」という明確な目標を視野に入れている。
そのような意識の選手が初代チャンピオンとなったこと、そして、自ら手塩にかけた教え子が準優勝したことは、「出場した選手たちが、いずれグランドスラムで勝っていくことを目的として作った大会」と明言する伊達にしても、喜ばしい始まりとなったはずだ。
取材・文●内田暁
【PHOTO随時更新】世界の舞台で躍動する日本人トップジュニア特集
ただ決勝戦では、多少の気持ちの空回りもあっただろうか。緊張の立ち上がりを相手に叩かれ主導権を握られると、9ゲーム連取を許すワインサイドな展開に。そこからは、「相手が打つコースもわかってきた。ここがチャンスだと思った」と冷静さを保ち5ゲーム連取で逆襲するも、第2セットは取り切れず。「ポイントが欲しくて、力んでミスが出た」ことを悔やんだ。
その奥脇を破り初代優勝者となったのは、15歳の石井さやか。全国選抜ジュニアのタイトルなどは持つ石井だが、国際大会では、これがうれしい初戴冠。
コロナ禍で実戦の場が消えていく時期を「課題にしっかり取り組む良い期間」と捉え、サービス等の強化に取り組んできたという石井。その成果を発揮しての優勝に「素直にうれしい」と相好を崩し、同時に、「この大会で見えた課題に取り組み、来年はグランドスラムジュニア出られるように頑張りたい」と断言した。
また男子シングルスを制したのは、アメリカ人を父に持つジョーンズ怜音。伊藤竜馬も輩出した地元四日市市のスクールでテニスを始め、2年半前から、フランスのムラトグルアカデミーを拠点とする15歳は、現在はビザの関係で一時帰国中。その間に出場した山梨のITFジュニア、そして今大会でも硬軟自在のプレーで優勝し、着実に世界へのステップへと足を掛けた。
今大会の男女優勝者はいずれも、「来年はグランドスラムジュニア」、そして近い将来には「プロとして世界で戦う」という明確な目標を視野に入れている。
そのような意識の選手が初代チャンピオンとなったこと、そして、自ら手塩にかけた教え子が準優勝したことは、「出場した選手たちが、いずれグランドスラムで勝っていくことを目的として作った大会」と明言する伊達にしても、喜ばしい始まりとなったはずだ。
取材・文●内田暁
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